217部分:第二十九話 アフロディーテの闘志その四
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第二十九話 アフロディーテの闘志その四
「そしてシュラにはベール」
「アフロディーテにはアスタロト」
「既に運命によって定められているのかも知れぬ」
シオンはこうも思っているようである。
「だが。私もまた選ばせてもらった」
「左様ですか」
「ベルゼブブは冥界にとりわけ縁の深い魔神だ」
シオンはそのことについても述べた。
「蝿は死者の魂の化身なのだからな」
「だからこそデスマスクをですか」
「あの男しかいない」
今度は断言であった。
「冥界の者を相手にするのはな」
「確かに。デスマスク、いえキャンサーの黄金聖闘士は常に聖闘士でありながら冥府とも深く関わってきました」
「うむ」
これは聖闘士としてはかなり異色である。異端であると言ってもいい。何故ならそこは他ならぬハーデス、冥皇の司る世界であるからだ。
「ならば。やはりベルゼブブの相手となると」
「あの男しかいないのだ。やはりな」
「その通りです」
「そしてだ」
シオンの言葉は続く。
「ベールは魔神きっての剣の使い手」
「だからこそシュラですね」
「シュラでなければ闘える相手ではない」
こうまで言うのだった。
「あの者もな」
「だからこそシュラをでしたか」
「アスタロトについても同じだ」
彼についてもなのだった。
「あの男はだ」
「確か魔神の中で最も冷酷な者だとか」
アイオロスは既にこのことを知っていた。
「残忍だとも聞いております」
「あの男はおそらく残忍ではない」
シオンはそれについてはそうではないと言うのだった。
「あくまで冷酷だ」
「冷酷なのですか」
「冷徹と言うべきか。全ての存在を駒として扱える男だ」
「駒!?」
「そう、駒だ」
シオンはさらに言う。
「駒として扱う男なのだ」
「といいますと」
「己を含めて勝利の為なら捨てることができる」
シオンはこう彼について評するのだった。
「それがあのアスタロトなのだ」
「あくまで冷徹にですか」
「それだけアーレスへの忠誠心が強いということでもある」
言葉を裏返しにすれば、ということだった。
「それだけな」
「その者がアフロディーテの相手ですか」
「アフロディーテに相応しいとも言える」
「そうなのですか?」
これには疑問を呈するアイオロスだった。
「アフロディーテは」
「あの男は変わらん」
こう言うシオンだった。
「いざとなれば凄まじいまでの闘志を見せる。そういう男だ」
「アフロディーテがですか」
「あの者は己を語ることはない。しかしそこにあるのは確かなものだ」
「闘志がですか」
「アスタロトの冷徹さに勝てるのはあの男の熱さだ」
シオンはあくまでアフロディーテの熱さについて述べる。
「必ずな。やって
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