第七十五話 二十七層ボス戦
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
、逞しい胴体から上には2つの頭と4本の腕を生やし、凶悪そうな破城鎚並みのハンマーを2つ持つ。
結果から言うと負けた。
そして敗北してしまった僕達は第二十七層『ロンバール』の街の中央広場に面しているドーム状の建物へと転送された。
姉ちゃんはすぐに皆に円陣を作らせ、人がいないのを確認してから話を始めた。
さっきの3人は大型ギルドの斥候部隊(スカウト)であること、ボス戦を闇魔法の《盗み見》で覗き見されていたこと、それによって彼らに情報を与えてしまったこと、妨害魔法(デバフ)のステータスアイコンをリバフの時に見逃してしまったこと、そして25層と26層のボス討伐も同じ手法だということを話したくれた。
それに驚いたけど、その話で今までのタイミングが良すぎる攻略の謎が解けた。
ラン「急げばまだ間に合うはずよ。 すぐに回復アイテムを揃えて出発しましょう。」
迷宮区に着いた僕達は最初のルートと同じ道を進み、現れるMobのリーダー個体だけを斬り捨て、他のMobにはノリの幻惑魔法で足止めし、なんとか最上階のボス部屋近くまで辿り着けた。
なんとかなる。 そう思って、ボス部屋の前に到着して、愕然とした。
ノリ「なんだい、これ!?」
そこには20人以上のプレイヤーが集まっており、しかもボス部屋の目の前で陣取っている。
僕達はその様子に驚いていたけれど、この人数を見て思った、まだ間に合う。
最大人数の49名の半分なのだ、あと1回くらいは挑戦できるはず。
ラン「行きましょう、みんな。」
ユウキ「うん。」
僕と姉ちゃんは先頭を歩きながら集団の中を歩く。
彼らに焦りの表情はない、まるでこのあとの展開を楽しんでいるかの様子だ。
僕は代表してリーダーらしき装備をしているノームの男に話し掛けた。
ユウキ「僕達、ボスに挑戦したいんです。 通してもらえますか?」
「悪いな。ここは閉鎖中だ」
ラン「っ、どういう意味ですか?」
思わぬ回答、いや、ある意味予想していた回答に、思わず声が張ってしまう。
「これからウチのギルドが挑戦するからな、その準備中だ。しばらく待っていてくれ」
ラン「どのくらいですか?」
「ざっと1時間というところだ」
ギリッと手を握り締める。スカウト達に偵察と情報収集に当たらせるだけでなく、攻略が成功しそうなチームが現れれば、集団による大人数で閉鎖行動を起こすつもりだったってこと。
まさか、中立地帯で露骨な占領行動が行われているなんて。
ラン「それなら私達が先に挑戦します。 私達はいますぐ挑めるので。」
「おいおい、こっちは先に来て並んでるんだ。 順番は守ってもらわないとな。」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ