第七十話 霜の巨人族の王
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ーを攻撃しようとしており、こちらを見向きもしない。
不意に傍らから声がして、俺はぎょっと眼を向けた。
フレイヤもといトールだった。
トール「このままではあの巨人の王を倒すには時間が掛かる。 我の宝、ミョルニルを見つけてくれ。 さすれば我は真の力を取り戻し、あの憎き巨人の王を倒して見せよう。」
キリト「分かった。 この部屋の何処かにあるんだな?」
俺の言葉にトールは深く頷き答えた。
集団戦闘のサウンドエフェクトを聞きながら、俺はぐるりと広大な玉座の間を見回した。
青い氷の壁際には、黄金が幾重にも積み上がっている。
キリト「って言ってもどうやって、」
リーファ「お兄ちゃん! 雷系のスキルを使って!」
キリト「雷、そうか! 分かった!」
気合いに乗せて、思いっきり床を蹴り飛ばし、空中で前方宙返り、同時に逆手に持ち替えた剣を、真下に向けて身体ごと突き下ろす。 片手剣重範囲攻撃、《ライトニング・フォール》。物理三割、雷撃七割。
この攻撃によって周囲に雷鳴が轟き、突き刺さった剣を中心に青紫色のスパークが全方位に駆け抜ける。
俺は身体を起こし、周囲を見渡す。
キリト「あれか!?」
黄金の山の奥深くで、先程生み出した雷に呼応したかのように、紫の雷光が小さく瞬いた。
俺は、そこに駆け寄る。
そして二刀流OSS、《エンド・リボルバー》計二連撃。 物理五割、風五割の範囲攻撃で黄金が一斉に吹き飛び、一つだけ吹き飛ばない黄金の金槌を発見した。
キリト「! やっぱり重いな!」
俺は気合いで持ち上げ、振り向くと、この金槌を求めていた人物に投げ渡す。
キリト「トール、受け取れ!」
金髪美女は細い右手をかざすと、俺が投げた激重金槌を見事に受け止めた。
直後、長いウェーブヘアが流れ、露わになった白い背中が小刻みに震える。
トール「・・・・・ぎる。」
ぱりっ、と空中に細いスパーク瞬く。
トール「・・・なぎる・・みなぎるぞ。」
スパークは激しさを増し、ゴールデンブラウンの髪がふわりと浮き上がり、純白の薄いドレスの裾が勢いよく翻る。
トール「みな・・・ぎるうぅぅぉぉおおオオオオオオ――――――!!」
雄叫びを上げ、全身に雷を纏い、白いドレスを粉々に引き千切られ、消滅した。
その姿はみるみる巨大化していき、顔の輪郭もゴツゴツに変化して、金褐色の長い髭まで生えている。
右手に握られた金槌もまた、持ち主に合わせて巨大化し、外見は四十代のナイスミドルという感じだ。
アーサー「うお、ごっつ!」
アルゴ「あー、映像残したかったナ。」
トール「卑劣な巨人めが、我が宝であるミョルニルを盗んだ報い、今こそ贖っ
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