第七十話 霜の巨人族の王
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解除し、全速力で駆け抜けて行く。
二回の中ボス戦を挟んでも、俺たちは僅か十二分で第三層ボス部屋まで到達した。
ボス部屋で俺たちを待ち受けていたのは、上層のサイクロプスやミノタウロスの二倍近い体躯たいく、しかも左右に十本もの足を生やした、大変気色悪いムカデ型巨人だった。
アーサー「んじゃ、これまでと同じように行くぞ!」
アーサーとランスロットが攻撃を捌いている中で俺達は、奴の足一本に集中攻撃を仕掛けていた。
その時、クラインが放った一撃により、奴の足が吹き飛んだ。
キリト「よし、いいぞ! 今吹き飛ばした片側から足を破壊するんだ! そうすればバランスを崩すはずだ!」
俺の言葉にクライン達は頷き、攻撃を続けた。 アーサーとランスロットは攻撃を捌きながら、タゲを取り続けた。
七分経過した頃、片側の足を全て破壊したことで、ボスがバランスを崩し、真横に倒れた。
その隙に、全員のソードスキルを叩き込み、全ての足を破壊した。
最後は動けなくなった所を、俺とサクマのスキルコネクトを含む多重ソードスキルで仕留め、ポリゴン片へ爆散させた。
キリト「みんな、お疲れ」
俺がそう言ってから、お馴染みのハイタッチをする。
それから、HPMPを全快にした後、第四層に踏み込んだ。
ボス部屋の通路に踏み込んだ俺たちの眼前に――判断に迷う一つの光景が出現した。
???「助けて、」
通路の壁際に、細長い氷柱で作られた檻の向こうに、一つの人影があった。
身長はアスナとほぼ同じ位で、粉雪のように白い肌と長く流れる深いブラウン・ゴールドの髪、漆黒の瞳、身体を申し訳ばかりに覆う布から覗く胸は、……この場に居る女性全員を圧倒している。 俺は、胸の大きさなんてどうでもいいが。
???「お願い。 私を、ここから、出して。」
ふらり、と氷の檻に吸い寄せられた刀使いの、後ろ頭から垂れるバンダナの尻尾を、俺はがしっと掴み、引き戻した。
キリト「罠だ。」
サクマ「罠だな。」
セト「だと思うっす。」
キド「罠だ。」
アルゴ「罠だネ。」
ぴくんと背中を伸ばして振り向いたクラインは、実に微妙な表情で頭を掻いた。
クライン「お、おう。 罠、だよな。 罠、かな?」
往生際の悪い刀使いに、俺は小声で「ユイ?」と訊ねる。 頭上の小妖精から、即時の応答。
ユイ「NPCです。 ウルズさんと同じく、言語エンジンモジュールに接続しています。 ですが、一点だけ違いが。 この人は、HPゲージがイネーブルです。」
Enable、即ち《有効化されている》ということだ。
通常、クエストの登場NPCはHPゲージが無効化されており、ダメージは受けない。
例外が、護衛
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