第51話 逆転
[7/7]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
レンダは消えて、少し離れた位置に着地した。
「ふん!まあ、そんなのろまな攻撃は効かないっすよ」
挑発するかのように四方八方の壁を削りながら姿は無く、飛び移る際の音と衝撃が響く。
この瞬間にも、フレンダの身体は限界以上の力を無理やり使われて、傷付きズタズタに引き裂かれている。
麦野は今にも噴火しそうな怒りを抑えながら、絶えず平静に事を計算していた。
「滝壺」
麦野は、ポケットから粉末の入った透明な箱を投げ渡した。
「使いなさい」
滝壺は、麦野から渡された粉末を手の甲に少しだけ掛けると舌で舐めとった。
心臓の動きが活発になり、脳の演算能力を向上させる。
滝壺の能力
『能力追跡(AIMストーカー)』
能力者が地球の裏側に逃げ込んでも検索できる能力。
「次にあのバカ(フレンダ)が現れる場所はどこかしら?」
全てを察した滝壺は、ゆっくりと部屋の中央からやや左斜め前を指差した。
滝壺の示した場所に腕を構えると麦野は、能力を溜め始めた。
「面の位置は5度下.....出現まで......6,5,4,......」
麦野は、外せないメルトダウナーに意識を集中させた。修正すると滝壺のカウントダウンに合わせる。
今まで、暗部組織で仲間として活動してきた絶大な信頼関係が成せる技だった。
「......3,2,1......ファイア」
その言葉に合わせるように麦野はメルトダウナーを発射した。
メルトダウナーは何もいない空間に発射されたが、次の瞬間にはトビフレンダが高速移動をしてきて......
ガァン!
正確にフレンダの顔にへばり付いているグルグルの面に当たり、バラバラと面が破片となって飛び散った。
「!?」
赤い目が無くなり、意識を無くしたフレンダから仰向けに倒れ込んだ。
「ん......ん」
試みは当たり、フレンダの顔に傷一つつかずにしっかりと息をしていた。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ