第51話 逆転
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サソリがスサノオで包み込んで、メルトダウナーの余波から全員を守った。
「チッ......」
「どうしたんすか?」
「身体ガ!」
黒ゼツ麦野が床に膝を付いて、自由が効かなくなった身体を震わせている。
「コイツ......オレノ制御ヲ捻ジ伏セル気カ......」
「ありゃ、ひょっとして......」
「ん......ん!?」
寝ぼけ眼のような顔で辺りをキョロキョロと見渡す。そして、自分の意思とは関係無しに伸ばされた黒い腕と赤い眼を見開いている奇妙な面を付けたフレンダをこれでもかと睨み付けると.......
「......何してんだぁぁー!フレンダぁぁ!」
麦野の眼が開き、不快そうに怒鳴るように顔を歪めて言い放った。
ビクッと身体を震わせたトビフレンダが額に汗を流した。
「うっわ〜......怖い女っすね。さぞかし攻撃的なうんこをすると思うんすよね。武器に使えるくらいに」
ふむふむと頷いていると、気が付いた麦野が硬直した身体をギシギシいわせながら、トビフレンダの頭をガツンと殴り付けた。
「痛った〜!何をするんすか」
「お?し?お?き確定ね!」
「うひゃ」
「ナンダト......?」
黒ゼツが必死に力を込めて、操ろうとするが麦野の身体の自由を少し制限するだけに留まる。
「それにぃぃぃ!さっきから私の身体にへばり付いているヒルみてぇな野郎は誰だ!」
予期せぬ宿主の反抗により、動きを失った黒ゼツ目掛けて、スサノオの太刀を振り下ろした。
「ク......ココマデカ」
黒ゼツは、麦野から黒い液体となり蹴り離れるように別つと作用反作用の法則により、左右に黒ゼツと麦野が別々になっていく。
その間を太刀が通過し、砂煙りが発生する。
少し離れた場所で液体だったモノが黒い人型となって立ち上がった。
サソリは、麦野のすぐ側に太刀を振り下ろすと、チャクラ糸で大仏を動かすと麦野を持ち上げて安全圏の蒼く燃え滾るスサノオの中に引きずり込んだ。
「麦野ー!!超大丈夫ですか?」
「ああ、何がどうなっているのか分かんねぇけど」
「良かった.....」
滝壺が安堵したように言った。
「安心するのは早いな」
サソリが大仏と鎧武者を従えて、最後の人質を取るトビと黒ゼツを万華鏡写輪眼で睨み付けた。
その姿は光と闇を操る全知全能の神にも等しい姿に映った。
「......なんと荘厳な」
テレスティーナは、サソリを崇高対象として膝を折り、敬意を示した。
「サソリ君は、不可能だと思われた事象をいとも容易く行ってしまう。私が敗れた理由が分かるだろう」
木山が懐かしそうに目を細めた。
どんな理論も
どんな数式も
どんな実験結果も
どんな常識も
彼の前では意味を成さない
考えるだけ無駄だと思えてしまう程の
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