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STARDUST唐eLAMEHAZE/外伝
吉田 一美の奇妙な冒険 「後編」
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、ソレ以上の強い感覚が少女の全身を駆け抜けた。
 壁に立て掛けられた、世界史の資料でも見た事のある
古風なライフル銃より、更に上。
 コレは、どんな歴史の資料でも見た事のない、
黒い石鏃(せきぞく)を光らせる、一本の 『矢』
 だが本来(つが)いである筈の弓が存在せず、
その大きさ、長さ、形状から矢というよりは槍だ。
「ア……レ……」
 再びミエナイ引力に惹かれるかのように、
口唇を震わせながら少女は上を指差す。
「あぁ、アレかい? 確か私が取ってきたモノなのだが、
はて、一体どこの屋敷幽霊に在ったモノだったかな?」
 少女に促され吉良も視線を移す。
 その、刹那。
 突如 『矢』 が意志を持ったかのように掛け金から外れ、
その先端がゆっくりと少女を差した。
「え?」 
 咄嗟の出来事に、現状を認識できない少女はただソレを惚けたように見上げる。
 そのまま 『矢』 は地球の重力に引かれ、一気に真下へと落下した。
「――ッッ!!」
 ソレが刺さるまで何が起きたのか解らなかった少女は、
豊かな膨らみの左側を貫かれ鏃がその裏側から突き抜けて初めて、
声無き声を発した。
「な、何!? コレ、は!?」
 物が物であるだけに、絶対外れないよう固定してあったのにも関わらず。
 驚愕は在ったが、しかし何処かで視たような既視感の元、
吉良は倒れ込む少女の躰を支えた。
 双眸は完全に閉じ、口の端からは細い血が伝う。
 鋭利な刃物が心臓を貫き、更に背部にまで突き抜ける程の深手。
 致命傷である事は無論、即死しても何ら不思議はない。
 生きている者が、死者の彷徨うこの世界で絶命したら
“魂” は一体どうなるのか?
 吉良が憂慮に口元を軋らせた瞬間。
(ッ!?)
 少女の胸を貫通した 『矢』 から、突如蒸気のようなものが音を立てて吹き出した。
 特異な紋様の鏃に触れた血液が、化学反応を起こして蒸発したかのように。
継いで、貫いた左胸を起点に狂暴な火花が電撃のように弾ける。
 同時に、もう二度と開かれないと想われた少女の瞳が散大し疵口から強烈な光が迸った。




   ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
  ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!
 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!!!!




 やがて。
 反射的に眼を伏せていた吉良の、灰色の瞳に映ったモノ。
 虚ろな視線で天を仰ぐ少女の、その華奢な躰を貫いた 『矢』 が、
“触れてもいないのに” 動き出した。
 まるで、視えない手が柄の部分を確固たる力で掴んでいるかのように。
 素人が無理に引き抜けば、更に疵口を押し広げる事になる甚大なダメージ。
 しかしゆっくりと引き抜かれていく矢の先端は、
微塵のブレも
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