第一話 ドイツとの出会い ☆
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第一話 ドイツとの出会い
第一次世界大戦中。イタリアとドイツは戦闘状態にありました。
厳しくありながらも整った軍服に身を包んだ端整で引き締まった顔の長身の青年。金髪碧眼でその金髪を丁寧に整髪料で後ろに撫で付けています。彼がドイツです。
「さて」
ドイツは周囲に注意を払いながら呟きます。
「相手はイタリアか。かつて栄華を誇ったローマ帝国の孫」
イタリアはやっと一つになったような相手でしたが。あの偉大なローマ帝国の孫なのです。ドイツはそれで彼が強いと思っていました。
「油断はできないな。むっ!?」
ここでドイツは目の前でやたらと揺れている箱に気付きました。見ればそれはかなり不自然な揺れ方をしています。
「何だこれは」
ドイツはその箱を見て呟きました。見れば箱には『イタリア蜜柑』と書かれています。
「・・・・・・オレンジのことか?」
そう思いましたがよくわかりません。トラップかとも思いましたがとりあえず開けてみることにしました。
「これは・・・・・・んっ!?」
「うぎゃああああああ!!」
中を開けた途端に叫び声です。何と中にはデザインだけはいい軍服を着た優男がいるではありませんか。背もそんなに高くなく茶色い髪をセンター分けにしていて左側が巻いています。顔はいいのに実に締りのない顔をしています。
「イタリアか!?ひょっとして」
「ドイツじゃーーーん、御免なさい御免なさい!」
イタリアは自分から謝ってきました。まだドイツが何もしていないのに。
「俺まだ童貞だし撃っても楽しくないよ!」
「っておい」
ドイツの言葉も聞かずに泣き叫ぶばかりです。
「だから許して!何でもするから撃たないでーーーーーーっ!」
挙句にはその場で泣き伏す始末です。戦争どころではありませんでした。
「あのさ、いやその・・・・・・」
ドイツも何と言っていいかわかりません。何とこれが二人の付き合いのはじまりでした。
第一話 完
2008・1・1
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