第六十二話 助けた物
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コミ発表前なんで、実名とか細部は伏せたけど、そういうことがあったわけなのでした。」
龍也「つまりはpohとジョニーは逃げた訳だな。」
拓真「あぁ。」
龍也「まったく、しぶとい奴等だな。 それより、拓真、お前覇気習得したろ。」
拓真「・・・分かる?」
龍也「今も微妙に纏ってるからな。 完全には制御できてないだろ?」
拓真「まぁな。」
明日奈「あの、朝田さん。」
詞乃「は、はい。」
明日奈「私がこんなこと言うのは変かもしれないけど。 ごめんなさい、怖い目に遭わせてしまって、」
詩乃「いえ、そんな」
詩乃は明日奈の言葉を聞き、急いで首を左右に振り、ゆっくり答えた。
詞乃「今回の事件は、たぶん、私が呼び寄せてしまったものでもあるんです。 私の性格とか、プレイスタイルとか、過去とかが。 そのせいで、私、大会中にパニックを起こしてしまって、拓真に落ち着かせてもらったんです」
龍也「そういやぁ、そんなところも写ってたな。」ニヤニヤ
拓真「るせぇ。」
ここにいる全員は、ばっちり洞窟シーン見ていたらしい。
明日奈「ともあれ、女の子のVRMMOプレイヤーとリアルで知り合えたことは、嬉しいですね。 これからよろしくお願いします。」
桜「そうね。 色々、GGOの話とかも聞きたいな。 友達になってくださいね、朝田さん。」
明日奈と桜は穏やかな笑みを見せると、テーブルの上に、手を差し出した。 白く、柔らかそうな手を見て、突如、詩乃は竦んだ。
友達、という言葉に胸が沁み落ちた途端、そこから焼け付くような渇望が湧き上がるのを、詩乃は感じた。 同時に、鋭い痛みを伴う不安も。
ともだち。 あの事件以来、何度も望み、裏切られ、そして二度と求めないと、心の底に己への戒いましめを刻み込んだもの。
友達になりたい。 そう言ってくれた明日奈と桜という、深い慈愛を感じさせる少女の手を取り、その温かさを感じてみたい。
一緒に遊んだり、他愛も無いことを長話ししたり、普通の女の子がするような事をしてみたい。
しかし、そうなれば、何時か彼女達も知るだろう。
詩乃がかつて人を殺したことに、詩乃の手が、染み付いた血に汚れていることに。
その時、彼女達の瞳に浮かぶであろう嫌悪の色が恐ろしい。
人に触れることは――自分には許されない行為なのだ。 恐らく、永遠に。
詩乃の右手は、テーブルの下で固く凍り付いたまま、動くことはしなかった。
二人の少女が首を僅かに傾げるのを見て、詩乃は眼を伏せた。
このまま帰ろう、そう思った。
友達になって、というその言葉の温かさだけでも、暫くは詩乃の胸を温めてくれるだろう。
ごめんなさい、と言おうとしたその時。
明日奈「詩乃さん」
微か
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