第六十一話 過去との決別
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私はポーチに手をやり、取り出したグレネードを、サクマが反射的に差し出した右手に乗せた。 次いで、突き出た雷管のタイマーノブを、きりきりと五秒間ほど捻る。
続いてサクマに抱き付く。
サクマ「ま、控えめに言っても最高だな。」
タイマーがゼロになり、私達のアバターを強烈な光が包み込んだ。
試合時間、二時間四分三十七秒。
第三回バレッド・オブ・バレッツ本大会バトルロイヤル、終了。
リザルト【Sinon】、【Sakuma】
同時優勝。
〜side out〜
〜拓真 side〜
東京都千代田区御茶ノ水の病院のベットの上で、俺は眼を覚ました
重たい身体を起こすと、万が一に備えてモニタリングしていた安岐さんの姿があった。
安岐「おかえりなさい、拓真君。 まずは、お水を飲んで水分補給をしなさい。」
差し出された紙コップを受け取り、喉を潤す。
俺は喉が潤った所で、現状の報告をしようとした。
菊岡に連絡し、警察の手配などを頼もうとした。
それを話そうと口を開けたが、安岐さんが手一つで防いだ。
安岐「君が言おうとしている事は、先に帰って来た二人から聞いたわ。 今、菊岡さんと連絡を取ってるわ。」
今まで気付かなかったが、和人が少し離れた所で、誰かと話していた。
和人がこちらを振り向いた。
和人「そ、そう言えば、シノンの住所ってどこだ?」
拓真「文京区湯島四丁目のボロアパートだ。 んで、本名は朝田 詞乃だ。」
ベッドから起き上がり服を着ながら答える。
拓真「俺は今から詞乃の所に向かう。 菊岡との連絡は任せたぞ。」
俺は病室から急いで出て、バイクが止めてある駐輪場に向かった。
バイクに乗り、詞乃の家までの最短ルートを一瞬で考える。
そして数分後、詞乃のアパートに着き、部屋に向かうと部屋の前のドアに誰かいる。
拓真「・・・誰だ?」
???「お前、おまえだなぁぁああ!! 僕の朝田さんに近づくなああぁぁああッ!!」
右手に何か持っているのを確認し、取り合えず避ける。
拓真「注射器。 なるほど、お前がもう一人の死銃か。」
???「ガアァァァァァァ!!」
拓真「ぶっ潰す!」
間合いに入ってきた相手の胸に向かって掌底、怯んだところに続けて鳩尾に膝蹴り、腹を抑えて頭が下がったところで顎にアッパーを喰らわせた。
相手は後方に倒れ落ち、意識を失った。
詞乃「拓真?」
拓真「あぁ。 俺だ。 コイツに見覚えは?」
詞乃「見覚えも何も友達、いえ、友達だった人よ。」
拓真「そうか。 良かった無事で。」
詞乃「拓真の忠告のお陰よ。 それが無かったら中に入れてたわ。」
少
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