第五十九話 前へ進むために
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シンタロー「近くに居る他の敵にもよるけどな。 最優先して狙うのはステルベンのサイレント・アサシンだ。 ステルベンごと撃ち抜ければなお良い。」
シノンを洞窟に残して外に出たキリトは、この世界の夜空を見上げながら、サテライト・スキャンの時を待った。
数秒後、マップ中央に幾つかの光点が浮かび上がった。
キリト「これは、」
キリトが何か呟いた。
洞窟から出ないように気を付けながら見ると、その理由が分かった。
画面上に表示された光点の殆どが、死亡を意味するグレーで塗り潰されていたからだ。
死銃、poh、クラディールはこの砂漠地帯の三方を囲っており、残った一方にもプレイヤーが居る。
指先で触れると、表示された名前は《闇風》だ。
マップを広域に広げると、都市廃墟エリアにも光点が二つされたが、直後暗転し、グレーに変わった。
キリト「どうなってるんだ?」
シンタロー「多分、衛星スキャンが開始されるまで、二人とも相手の場所を知らなかったんだ。 んで、スキャン後初めて、例えば壁一枚隔てた隣の部屋に居ることを知って、お互いに驚いて、グレネードを投げて、両方ドカーン、とか。」
キリト「そりゃ、南無。」
大会終盤まで勝ち残ってきた猛者たちとしては、不本意な幕切れだろう。
これで、三十人から開始されたバトルロイヤルの生き残りは八人。
俺達四人、≪闇風≫、そして死銃達三人と言う事になる。
最後に、全体に散らばる光点と暗点の合計数を数え、キリトは低く声漏らした。
キリト「おかしいぞ。」
サクマ「何がおかしいんだ?」
キリト「光点の数だ。 生存が二、死亡が二十。 此処に映っていない、六人、回線切断で消えたペイルライダーを足しても、二十九人だ。 何処かに隠れて居る? 何らかの理由で回線切断をし、姿を消した、ということか?」
シンタロー「いや、もう一つ可能性がある。」
キリト「どんな?」
シンタロー「実行犯も複数人いる場合だ。」
「ッ!?」
死銃の実行犯が複数居るなら、その一人がシノンの部屋に潜んでいて、別の構成員が動いている可能性があるかもしれないのだ。
《ラフィン・コフィン》の残党は、少なくとも十人以上居るのだ。
だが、奴らが集団で動いているとは考えにくい。
サクマ「一度、洞窟へ戻って作戦会議だ。」
キリト「ああ、そうだな。」
洞窟に戻ると、シノンは車を隠した最奥部ではなく、角を少し曲がった辺りでライフルを肩に掛けて待っていた。
シノン「どうだった!? 状況は!?」
顔の両サイドで結わえた水色のショートヘアを揺らし、急き込んで訊ねてくるシノンに、簡潔かつ丁寧に説明を試みる。
キリト「スキャンの最中にも二人相討ちで退
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