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SAO〜円卓の騎士達〜
第五十九話 前へ進むために
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けんな。 ふざけんじゃねぇ! 運命だと!? 一人で命を粗末にするのが運命だなんて言うんじゃねぇ! シノンは間違ってる! 人が一人で死ぬ、なんてことは有り得ないんだ! 人が死ぬ時は、他の誰かの居るシノンが死ぬんだよ! 俺の中のシノンが死ぬんだよ!」
シノン「そんなこと、頼んでない! 私は、私を誰かに預けた事なんてない!」
サクマ「俺とシノンは関わり合っているんだよ!」

その瞬間、凍った心の底に押さえ付けられていたシノンの感情が、一気に膨れ上がった。
軋む程に歯を食い縛り、片手で俺の襟首に掴みかかる。

シノン「なら、あなたが私を一生守ってよ!!」

突然視界が歪み、頬に熱い感覚があった。
眼に涙が溢れ、滴っていることに、シノンはすぐに気付かなかった。

握られた手を強引に払い、シノンは固い拳を握ってサクマの胸に打ちかかる。
二度、三度、力任せにどんどんと叩き付ける。

サクマ「何も知らないくせに、何も出来ないくせに、勝手なこと言わないで! こ、これは私の、私だけの戦いなのよ! たとえ負けて死んでも、誰にも私を責める権利はない!! それとも、あなたが一緒に背負ってくれるの!? この、」

握り締めた手をサクマの前に突き出す。
血に塗れた拳銃のトリガーを引き、一人の命を奪った手。
火薬の微粒子が侵入して出来た、小さな汚れた手。

シノン「この、ひ、人殺しの手を、あなたが握ってくれるの!!??」
サクマ「そう約束しただろ!! お前の事は俺が一生守るって、約束しただろうが! お前の事は俺が一番知ってる! お前を守るために、俺は強くなろうとしている! それが予選決勝でのお前の問いの答えだ! あの時は俺にはその資格が無いと思ってたが、考えが変わった。 今からでもお前の事を一生守る! それが俺に出来る唯一の償いだ!」

どれくらいそのままでいたのか、わからない。
爆発的な感情を解放させたシノンは、俺の胸の中に顔埋めながら、ゆっくりと口を開いた。

シノン「私ね、人を、殺したの。」

シノンは、キリト達の反応を待たず言葉を続ける。

シノン「ゲームの中じゃないよ。 現実世界で、ほんとうに、人を殺したんだ。 五年前、東北の小さな街で起きた郵便局の強盗事件で。 報道では、犯人が局員の一人を拳銃で撃って、犯人は発砲した銃が爆発して死んだ。 ってことになってたんだけど、実際はそうじゃないの。 その場に居た私が、強盗の拳銃を奪って、撃ち殺した。」
シンタロー「五年前か。」

シンタローがそう言った。
五年前。
その時の事は俺も良く覚えている。

シノン「私は十一歳だった。 もしかしたら、子供だからそんなことが出来たのかもね。 歯を二本折って、両手を捻挫して、背
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