機動戦艦ナデシコ
1460話
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姿もあったというのだから、何と言えばいいのやら。
『ああ、そう聞いてるよ。ただ、中には討伐軍との間で不幸な誤解もあったみたいだけど』
「だろうな。これまで延々と戦争をしてきたんだ。バッタに対して強い憎しみを抱いていてもおかしくはない。……この世界はこれからそれをどうするのかが問題になってくるだろうな」
そう告げると、アカツキは少し疲れた様子で頷きを返す。
……アカツキでも疲れたりってするんだな。
何故かいつも元気に動き回っているものだとばかり思っていたので、そんなアカツキの様子に少し新鮮な思いを抱く。
ただまぁ、アカツキの事だから結局何だかんだと上手い具合にやるんだろうなという思いはある。
「ま、ともあれだ。……これで何とかなったな」
少しは労う意味も込めてそう告げると、戻ってきたのはアカツキらしからぬ笑みだった。
『ああ、何とかなったね。……ただ、賊軍の上層部が纏めて消えてしまったから、この内乱をどう終わらせたものか……』
「責任を取る奴がいない、と?」
『ああ。今入って来ている情報によれば、降伏してきた者達は軒並みそこまで地位が高くない奴が多いんだよ。……まぁ、その辺は分からないでもないけど』
今、この時まで賊軍の上層部にいたのだから、それは当然後ろめたいところがある者が多いだろう。その中でもっとも偉い奴等は火星の上空で塵に消えたとして……
「だとすれば、順当に降伏してきた者の中から一番階級が高い奴を賊軍の首謀者という扱いにするとかか?」
『そう出来ればいいんだけどね。賊軍の中には連合軍の軍人以外の者も多い。それこそ僕が言うのはなんだけど、元ネルガル、元クリムゾン……中には元傭兵なんてのもいたよ』
「傭兵、ねぇ。この世界でも傭兵はいたんだな」
木連を相手にやり合っていたのを考えると、そういう職業はないと思っていたんだが。
まぁ、木連が来るまでこの世界は普通の――という言い方はどうかと思うが――世界だった。
そんな普通の世界でも……いや、だからこそと言うべきか、小さな紛争とかはあったんだろう。月の例を見るまでもなく。
そういう紛争で活躍した傭兵達は、当然木連との戦争でも生き残っていたって事か。
『ああ。勿論賊軍に入っていた傭兵というのは、いわゆる略奪とかを普通にする傭兵が多かったみたいだね。……で、当然そういう傭兵も今回捕まった事により自分達がしてきた罪を償う事になる』
まぁ、中には戦いたいからとかいう傭兵もいそうだけど、その辺の判断は討伐軍の者達にして貰うとしよう。……大変そうだけど。
そもそも俺達シャドウミラーは、あくまでもこの討伐軍に協力しているという立場である以上、その仕置きとかに関わる必要はない。……大変そうだし。
それに、大抵こういう
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