第五十七話 死銃の力
[5/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
逝く間際にも銃声を聞くことない。
与えられた通り名が――≪沈黙の暗殺者≫。
それに加え、一時期は世界最高狙撃距離記録を出していたスナイパーライフルでもある。
奴はペイルライダーに向かって近づいていく。
それから、奴はハンドガンを取り出した。
だがハンドガンでは、ペイルライダーのHPを一撃で吹き飛ばす事は不可能だ。
奴はフードに額を当ててから、胸に動かし、さらに左肩、右肩へ持っていこうとする。
いわゆる、十字を切る行為だ。
あれは、ステルベン、死銃だ。
キリト「シノン、撃て。」
シノン「え? どっちを?」
キリト「あのボロマントだ。
頼む早く撃ってくれ、早く!」
シノンはヘカートのトリガーに人差し指を移動させ、トリガーを絞った。
次いで轟音。
命中してボロマントのアバターが、吹き飛ぶと思った。
しかし。
ボロマントは上体を大きく後ろに傾け、ヘカートの弾丸を回避したのだ。
シノン「あ、あいつ、最初から気付いていた。 私が此処に隠れていることに、」
キリト「まさか!
奴は一度もこっちを見ていなかったはずだ!」
シノンは小刻みに首を振る。
シノン「あの避け方は、弾道予測線が見えていなければ絶対に不可能。 つまり、何処かの時点で私の姿を目視して、それがシステムに認識されたってこと。」
ステルベンはハンドガンをペイルライダーに向けると、親指でハンマーをコッキング。 左手にグリップ添え、半身の状態でトリガーを引いた。
小さな閃光と、乾いた銃声の音が聞こえた。
ペイルライダーはスタンから回復し、全身をバネのように起こし、ARショットガンをボロマントの胸に突き付けた。
だが、ペイルライダーは苦しみだし、ARショットガンを地面に落とした。
ゆっくりと傾き、地面に横倒しになった。
胸の中央を掴むような仕草を見せた、その直後、ペイルライダーはノイズを思わせる不規則な光に包まれ、消滅した。
最後に残った光が、【DISCONNECTION】という文字を作り、溶けるように消えた。
シノン「あいつ、他のプレイヤーをサーバーから落とせるの?」
シノンの呟きに俺が答えた。
キリト「いや、違う。 そうじゃない。 そんな生温い力じゃない。」
シノン「ぬるい? どこがよ、大問題でしょ。 チートもいいところだわ。 運営は何してるの」
キリト「そうじゃない。 あいつは、サーバーを落としたんじゃない。 殺したんだ。 たった今、ペイルライダーは、ペイルライダーを操っていた人間は、現実世界で死んだんだ!!」
シノン「な、」
キリト「あいつは、《死銃》、《デス・ガン》だ。」
シノン「デス、ガン。 それって変な噂の? 前に大会で
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ