第五十七話 死銃の力
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ーのことか。」
シノン「そうとも言うけど。 ともかく、それを付けたライフルなら相当発射音が抑えられるわ。 命中率や射程にマイナス補正がかかるし、消耗品のくせに馬鹿高いけどね。」
キリト「な、なるほど。」
俺は再びペイルライダーを見た。
だが、ペイルライダーは起き上がる気配すら見せない。
もし一撃で死亡したなら、身体の上に【Dead】の文字が浮かび上がるはずだ。
生きているのに、何で其処から逃げようとしない?
シノンが囁いた。
シノン「そういえば、キリト。 あんたいったい何処から現れたのよ? 衛星スキャンの時には、この山の周囲には居なかったでしょ。」
キリト「あ、ああ、そのことか。 俺は川を泳いでいたからな。」
シノン「ど、どうやって?」
俺は肩を竦めて答えた。
キリト「装備は一旦全部外したよ。 スターテス窓から解除した武装はアイテム欄に戻るから、手で運ぶ必要が無くなるのは、《ザ・シード》規格のVRMMOの共通ルールだからな。」
シノン「・・・そのアバターでアンダーウェア姿を披露したら、外の中継を見ているギャラリーは大喜びだったでしょうね。」
キリト「外部中継ってのは、原則的に戦闘以外は映さないんだろ。」
シノンは『フン』と鼻を鳴らした。
シノン「ともかく、川を潜っていれば《サテライト・スキャン》に補足されないってことね。 覚えとくわ。 でも、あんたはペイルライダーを追って来たんでしょ。 あいつは強いと思うけど、大した奴ではなかったみたいよ。 一発大きいのを喰らっただけでビビって立てなくなるようじゃ、とてもこの先、」
『勝ち残れない』、と続けようとシノンの言葉を、双眼鏡を両目に付けた俺が遮った。
キリト「いや、違うようだぞ。
よく見ろ、あいつのアバターに、妙なライトエフェクトが、」
シノンはスコープの倍率を上げる。
シノン「あれは、、、電磁スタン弾よ。」
キリト「な、何だそれ?」
シノン「名前通り、命中したあと暫く高電圧を生み出して、対象を麻痺させる特殊弾よ。 でも大口径のライフルでないと装填出来ないし、そもそも一発の値段がとんでもなく高いから、対人戦で使う人なんかいない。 パーティでもMob狩り専用の弾なのよ。」
ペイルライダーの拘束するスパークも薄れ始めてきていた。
その時、橋を支える鉄柱の陰から黒いシルエットが姿を現した。
ボロマントが歩を進め、これまで体に隠れていた主武装が露わになった。
それは《サイレント・アサシン》。
正式名は、《アキュラシー・インターナショナル・L115A3》。
この銃は対物ライフルではなく、人間を狙撃する為に作られた銃なのだ。
撃たれた者は射手の姿を見ることなく、死に
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