第五十四話 銃の世界へ
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シノン「サクマとは決勝で当たるわね。 絶対来なさいよ。」
サクマ「了解だ。」
キリト「俺は決勝でシンタローとか。」
シンタロー「手加減はしないぞ。」
キリト「あぁ。 もちろん。」
俺たちは総督府一階ホールの奥へ向かってから、エレベータに乗り地下【B20F】で降りた。
床、柱、壁は全て黒光りする鋼板か、赤茶けた金網。
ドームの壁際は無骨なデザインのテーブルが並び、頂点分には巨大なホロパネルで【BoB3 Preliminary】という文字と、残り二十分という文字が表示されていた。
シノン「さて、控え室に行きましょうか? 貴方たちも、さっき買った戦闘服に着替えないとね。」
戦闘服に着替えてから、壁際のデーブルの椅子に腰を下ろした。
BoBのレクチャーをしてくれるらしい。
シンタロー「最低限のことだけ説明しておく。」
予選までのカウントは十分を切っている。
シンタロー「カウントがゼロになったら、全員予選一回戦の相手と、二人だけのバトルフィールドに自動転送される。 フィールドは一キロ四方の正方形。 地形、天候、時間はランダム。 決着したら勝者はこの待機エリアに転送される。 次の対戦者が決まっていれば、すぐに二回戦がスタート。 質問は?」
全員が首を横に振る。
シノン「サクマ、もう一度言うけど決勝まで来るのよ。 最後に教えてあげる。」
サクマ「最後?」
シノン「敗北を告げる弾丸の味。」
サクマ「ふっ、面白い。 なら絶対に決勝に出てやる。 勝つのは俺だがな。 しかし、シノンの方は大丈夫なのか?」
シノンは『フン』、と小さく息を吐き出した。
シノン「予選落ちなんかしたら引退する。 今度こそ、」
広いドーム犇く好敵手たちを凝視するシノンの瞳が、強烈な瑠璃色の光を放った。
シノン「強い奴らを、全員殺してやる。」
俺たちの耳が、近づく音を捉えた。
一直線に歩み寄ってくるプレイヤーは、銀灰色の長髪を垂らした背の高いプレイヤーだった。
ダークグレーの迷彩を上下に身に纏い、肩にはアサルトライフルを下げている。
戦歴の兵士というよりは、特殊部隊の隊員といったところか。
男はシノンを真っ直ぐ見て、口許に笑みを零した。
「遅かったねシノン。 遅刻するんじゃないかと思って心配したよ」
シノンは微笑を浮べて応じた。
シノン「こんにちはシュピーゲル。 ちょっと予想外の用事で時間取られちゃって。 あれ、でも、あなたは出場しないんじゃなかったの?」
男は照れくさそうに笑いながら、片手を頭に置いた。
シュピーゲル「いやあ、迷惑かと思ったんだけど、シノンの応援に来たんだ。 試合も大画面で中継されるしさ。
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