暁 〜小説投稿サイト〜
SAO〜円卓の騎士達〜
第五十三話 事件の予感
[5/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
茂村氏が番組出演中に突如消滅したのが、十一時三十分十五秒。」

俺が呟いた。

和人「偶然だろう。」
菊岡「いや、そうでもないんだ。 実はもう一件あるんだ。 今度は約十日前、十一月二十八日だな。 埼玉県さいたま市大宮某所、やはり二階建てアパートの一室で死体が発見された。 新聞の勧誘員が、電気は点いているのに応答がないんで、居留守を使われたと思って腹を立て、ドアノブを回したら鍵が掛かっていなかった。 中を覗くと、布団の上にアミュスフィアを被った人間が横たわって居て、同じく異臭が、」

『ごほん!!』と隣の席のマダムが咳払いをして、凄まじい邪眼をこちらに向けていたが、菊岡は会釈をしただけで会話を続けた。

菊岡「まぁ、詳しい死体の状況は省くとして、今度もやはり死因は心不全。 名前は、これも省いていいか。 男性、三十一歳だ。 彼もGGOの有力プレイヤーだった。 キャラネームは、《薄塩たらこ》? 正しいのかなこれ? 今度のはテレビの中では無く、ゲームの中だね。 アミュスフィアのログから、通信が途絶えたのは、死体発見の三日前、十一月二十五日、午後十時零分四秒。 死亡推定時刻もそのあたりだね。」

これまで、静かに話を聞いていた拓真が言った。

拓真「じゃあ、その銃を持ったプレイヤーは、同一人物なのか?」
菊岡「そう考えていいかもしれないね。 毎回同じキャラネームを名乗っているからね。」
和人、拓真、シンタロー「「「どんな?」」」

菊岡はタブレッドを滑らせ、

菊岡「《シジュウ》それに、《デス・ガン》。」

すなわち、≪死銃≫か。

シンタローはテーブルの椅子から立ち上がり、俺の肩を叩いた。

シンタロー「悪いな、菊岡さん。 俺達は手伝えそうにない。 帰るか。」
和人「おう。」

俺も立ち上がろうとすると菊岡が、

菊岡「わぁ、待った待った。 ここからが本題の本題なんだよ。 ケーキもう一つ頼んでいいからさ、あと少し付き合ってくれ。」

シンタローは再び椅子に座り、大きく溜息を付いてから、言った。

シンタロー「あと、五分な。」
菊岡「えっと、アカウントを持ってるシンタロー君は良いとして、二人にはガンゲイル・オンラインにコンバートして、この《死銃》なる男と三人で接触してくれないかな。」

と言い、菊岡はにっこりと笑った。
直後、先程と比較にならない威圧感が拓真から発せられた。

拓真「菊岡、俺達に、《撃たれてこいって》、言っているんだろ。 その《死銃》に、」
菊岡「いや、まぁ、ハハ、」

菊岡は額から、冷汗をだらだらと零している。
しょうがない、俺が助け船を出すか。

和人「菊岡さん。 何でこの件にそこまで拘るんだ?」

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ