第五十三話 事件の予感
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ガンゲイル・オンライン》知っているかい??」
拓真「《ガンゲイル・オンライン》だと?」
菊岡「何か知ってるのかい?」
拓真「いや、知り合いがプレイしてるだけだ。」
シンタロー「俺とエネ、コノハもやってる。」
和人「えぇっと、確か日本で唯一プロのいるゲームだったよな?」
ガンゲイル・オンライン。
ゲーム内でリアルマネーが稼いだ金を現実の金として換金できる、《ゲームコイン現実還元システム》を採用している。
まぁ、正確には電子マネーだが。
その中での《プロ》と呼ばれるGGOプレイヤーは、毎日コンスタントに金を稼ぐプレイヤーの事を指す。
《プロ》は月に二十万から三十万稼ぎ、GGOのハイレベル連中は、他のMMOと比較にならないほどの時間と情熱をGGOにつぎ込んでいるのだ。
亡くなった茂村氏も、相当な豪腕プレイヤーだったのだろう。
また、ガンゲイル・オンラインを運営している《ザスカー》なる企業は、外国に拠点を持っている、電話番号やメールアドレスは全くの未公開。
菊岡「彼は、ガンゲイル・オンライン、略称GGO中ではトップに位置するプレイヤーだったらしい。 十月に行われた、最強者決定イベントで優勝したそうだ。 キャラクター名は《ゼクシード》。」
拓真「じゃあ、亡くなった日もGGOにログインしていたのか?」
菊岡「いや、そうではなかった。 《MMOストリーム》というネット放送局の番組に、《ゼクシード》の再現アバターで出演中だったようだ。」
俺が口を開いた。
和人「ああ、Mストの《今週の勝ち組さん》か。 そういや、一度ゲストが落ちて番組が中断したって聞いたような気もするな。」
菊岡「多分それだ。 出演中に心臓発作を起こしたんだな。 ログで、秒に到るまで時間が判っている。 で、ここからは未確認情報なんだが、ちょうど彼が発作を起こした時刻に、GGO中で妙なこと有ったって、ブログに書いているユーザーが居るんだ。」
和人、拓真、シンタロー「「「妙?」」」
菊岡「MMOストリームは、GGOの内部でも中継されているだろう?」
シンタロー「ああ。 酒場とかで見られる。」
菊岡「GGO世界の首都、《SBCグロッケン》という街のとある酒場でも放送されていた。 で、問題の時刻に、一人のプレイヤーがおかしな行動をしたらしい。」
菊岡は言葉を続ける。
菊岡「何でも、テレビに映っているゼクシード氏の映像に向かって、《裁きを受けろ、死ね》等と叫んで銃を発砲したということだ。 それを見ていたプレイヤーの一人が、偶然音声ログを取っていて、それを動画サイトにアップした。 ファイルには、日本標準時カウンターも記録されていてね。 ええと、テレビに銃撃があったのが、十一月九日、午後十一時三十分二秒。
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