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SAO〜円卓の騎士達〜
第五十三話 事件の予感
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ー、《黒騎士》、《龍騎士》、《軍師》さまと、リアルで話が出来るなんて光栄だよ。」

そう。 俺たちはALOで、菊岡と交流を持っているのだ。
菊岡――クリスハイトとして。
因みに、《黒騎士》、《龍騎士》、《軍師》は、ALO内での俺たちの二つ名だ。

和人、拓真、シンタロー「「「帰る。」」」
菊岡「わぁッ! 待った待った! 僕が悪かった!」

俺たちは大きく溜息を吐いてから、再びテーブルの椅子に座り直した。
菊岡は、隣の椅子の置いたアタッシュケースからタブレッド型端末を取り出し、一人の男性プロフィールを見せた。
それから、のんびりした口調で言った。

菊岡「いやぁ、ここに来て、バーチャルスペース関連犯罪の件数が増え気味でねぇ。」
拓真「それがどうした?」
菊岡「いやー、君たちに調査を、お願いしたいなー、って。」

俺も改めてタブレットに目を落とす。

シンタロー「で、誰だ?」

シンタローが問うと、菊岡は指先を滑らせた。

菊岡「ええと、先月、十一月の十四日だな。 東京都中野区某アパートで、掃除をしていた大家が異臭に気付いた。 発生源と思われる部屋のインターホンを鳴らしたが返事がない。 電話にも出ない。 しかし部屋の電気は点いている。 それから電子ロックを解錠して踏み込んで、この男、茂村保、二十六歳が死んでいるのを発見した。 死後五日半だったらしい。 部屋は散らかっていたが荒らされた様子はなく、遺体はベッドに横になっていた。 そして頭に、」
和人「アミュスフィア、か。」

俺がそう言うと、菊岡は頷いた。

菊岡「その通り。 すぐに家族に連絡が行き、変死ということで司法解剖が行われた。 死因は急性心不全となっている。」

タブレットに目を落としていたシンタローが、顔を上げた。

シンタロー「心不全? 何で止まったんだ?」
菊岡「それが解らないんだ。 死亡してから時間が経ち過ぎていたし、精密な解剖は行われなかったんだ。 ただ、彼はほぼ二日に渡って何も食べないで、ログインしっぱなしだったらしい。」

俺は眉を寄せた。
その手の話は珍しくない。
現実世界で何も食べなくても、仮想世界で食べ物を食べると偽りの満腹感が発生し、それは数時間持続するからだ。
当然そんな事をしていれば体に悪影響を及ぼし、栄養失調や発作を起こして倒れ、そのまま、ということも珍しくない。
俺は一瞬眼を瞑り、口を開いた。

和人「菊岡さん。 あんたはこんな話を聞かせる為に、俺たちを呼んだんじゃなんだろ。」

暫しの沈黙が流れた。
菊岡は意を決したように答えた。

菊岡「茂村氏のアミュスフィアに、インストールされていたVRゲームは一タイトルだけだった。 《
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