第五十二話 VRMMOの本当の姿
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世界の種子》。
それは茅場の開発した、フルダイブ・システムによる全感覚VR環境を動かす為の物。
《ザ・シード》と名付けられた、一連のプログラム・パッケージだった。
《カーディナル》システムを整理し、小規模サーバーでも稼働出来る、その上で走るゲームコンポ―ネントの開発支援環境もパッケージリングした。
VRワールドを作りたいと望む者は、パッケージをダウンロードして、回線のそこそこ太いサーバーに接続すれば、それだけでVRワールドが誕生する。
《真なる異世界》を求め続ける、果てしない夢想だ。
俺は事前にエギルに依頼し、《ザ・シード》を全世界にばら撒きサーバにアップロードし、個人でも落とせるように完全開放させた。
死に絶えるアルヴヘイム・オンラインを救ったのが、この《ザ・シード》だ。
それから、次々にVRサーバーが稼働したのだ。
《ザ・シード》の利用法は、ゲームだけに留まらなかった。
教育、コミュニケーション、観光。
これにより、カテゴリーのサーバーが誕生し日々新たな世界が生まれるのだ。
シンカーは苦笑しながらも、何処か夢見る眼差しで言った。
シンカー「私たちは、多分いま、新しい世界の創生に立ち会っているのです。 その世界を括るには、もうMMORPGという言葉では狭すぎる。 私のホームページの名前も新しくしたいんですがね、なかなか、これ、という単語が出てこないんですよ。」
クライン「う〜む、」
腕組みしながら考え込むクラインに、俺は笑いながら言った。
和人「おい、ギルドに《風林火山》なんて名前付けるやつのセンスには誰も期待してないよ。」
クライン「うるせぇな! あれでも必死に考えて作った名前だ!」
佑真「ところで、二次会の予定は変更無いんですよね?」
エギル「ああ、今夜十一時、イグドラシル・シティ集合だ。」
俺は声を潜めた。
和人「アレは、動くのか?」
エギル「おうよ。 新しいサーバー群を丸々一つ使ったらしいが、何せ《伝説の城》だ。 ユーザーもがっつんがっつん増えて、資金もがっぽがっぽだ。」
和人「そう上手く行きゃいいけどな。」
シンタロー「上手く行くさ。 それに関わった俺が保証する。」
俺はそれを聞き、店の天井を見詰めた。
今日《伝説の城》が彼方から現れる。
リズ「おーい、キリト、アーサー、サクマ、コジロウ、シンタロー。 また詳しく話を聞かせて貰うから、こっちこーい!!」
リズベットが手を振って、俺達を呼んだ。
俺はエギルに聞いた。
和人「あいつ、酔ってるよな?」
彼女はピンク色の飲み物が入った、グラスを片手に掲げている。
あれ、酒だよな?
エギルが澄まし顔で言った。
エギル「一パーセント
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