第五十二話 VRMMOの本当の姿
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場所だ。
この学校で卒業すれば、大学の受験資格が与えられる。
表向きはそのようになっているが。
実際は、SAO帰還者を一つの場所に集めておきたいのだろう。
俺を含めて、自衛の為に他のプレイヤーに手を掛けた者は少なくないし、盗みや恐喝といった犯罪行為は記録に残らない為チェックのしようもない。
基本的に、アインクラッドでの名前は出すのは忌避されているのだが、顔がSAOと同じなのだ。
俺達《円卓の騎士団》の主力メンバーは、キャラネームを出さなくても、入学直後に即バレしたのだが。
尤も、すべて無かったことにしようと言うのは無理な話なのだ。
あの世界での体験は、夢でもなく現実なのだし、その記憶は、それぞれのやり方で折り合いを付けていくしかないのだ。
明日奈の小さな手を優しく握った。
この小さな手に何度も助けられた。
《はじまりの街》を出てから、クリアされるまでの二年間。
ちなみに須郷はと言うと。
あの日病院の駐車場で逮捕された須郷は、その後も醜く足掻きに足掻きまくった。
黙秘に次ぐ黙秘、否定に次ぐ否定、最終的には茅場晶彦に背負わせようとした。
須郷は『僕は人体実験には関わっていない。 僕は無実』と主張し、黙秘を続けた。
だが、それも茅場によって見つけられた実験データ。
その中にアーサーの洗脳に関してのデータが有ったのだが、
それが決め手となり、須郷は無期懲役、部下も懲役四十年となった。
因みに裁判に被害者として出廷した龍也曰く、『嫌な事、思い出させんなよ。 けどまぁ、ざまぁ』らしい。
奴の手掛けていた、フルダイブ技術による洗脳という邪悪な研究も、初代ナーヴギア以外では実現不可能であるということが判明したのだ。
ナーヴギアは全て廃棄され、そして万が一の対策も可能にしたらしい。
幸いであった事は、300人の未帰還者プレイヤーに人体実験中の記憶が無かったことだ。
精神に異常を来してしまったプレイヤーは居らず、全員が十分な加療ののちに社会復帰が可能だとされている。
残念になってしまったことは、VRMMOというジャンルゲームそのものが、回復不可能な打撃を被ったことだ。
今度こそ安全、と展開したALOを含むVRMMOゲームが、須郷の起こした事件によって全てのVRワールドが犯罪に利用される可能性がある、と注目されてしまったのだ。
ALOも運営停止に追い込まれ、中止を免れないだろう。
だが、それを茅場に相談したところ、あの大先生、とんでもないものを出してきた。
それが《ザ・シード》だ。
それを俺に渡し、『これをどうするかは君達に任せる。』と言ってきた。
明日奈「ところで、き、和人君。 今日のオフ会だけど、」
和人「ん?」
明日奈「直葉ちゃんって来
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