第五十一話 帰還
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、構わないけどさ。」
スーツのポケットから幾つかの薬を取り出し、口の中に放り込む。
音を立てながら噛み砕き、須郷はナイフを離した。
俺の隣にいたシンタローが喋った。
シンタロー「須郷、お前はもう終わりだ。 大人しく法の裁きを受けろ」
須郷「終わり? 何が? 何も終わっていないさ。 まぁ、レクトはもう使えないけどね。 僕はアメリカに行くよ。 僕を欲しいっていう企業は山ほどあるんだ。 僕には、今までの実験で蓄積した膨大なデータがある。 あれを使って研究を完成させれば、僕は本物の王に、神に、この現実世界の神になれる。」
この男は狂っている。
いや、遥か昔から壊れていたのだ。
須郷「その前に、幾つか片付けることはあるけどね。 とりあえず、君達は殺すよ。」
表情を変えず、ボソボソと喋り終わると、須郷は歩み寄って来た。
???「これ以上私の弟子に、手を出すな。」
誰かが須郷の手首を掴んだ。
???「和人、桜のお嬢さん、とそこの知らない奴。 さっさと行け。」
和人「は、はい!」
須郷「な、なんだ!? お前は!」
???「貴様ごときに教える必要はない。」
そう言うとその人は須郷を気絶させた。
俺達は病院の中に入ると、近くにいたナースに話し掛けた。
桜「ナースさん! 外に暴漢がいます! ナイフを持っています!」
それを聞いたナースは急いで内線で警備員を呼び、自分もその場所へ向かった。
「ここで待ってて!」と言われたが生憎と待ってる気は更々無い。
俺はナースステーションに入り、来入者用のカードキーを三つ取ってきた。
和人「行くか。」
シンタロー「そうだな。」
俺達はエレベーターに乗り込んだ。
乗っている間。
シンタロー「さっきのアレは誰なんだ? 知ってるみたいだったけど。」
和人「俺達の師匠だよ。 あの人、剣道以外にも色々と武術やってるみたいだから、いても邪魔なだけ。」
シンタロー「ふーん、師匠、ねぇ。」
桜「若いときは世界中のあちこちを旅してたんだって。 米軍とかにも友人がいるらしいよ。」
シンタロー「へ、へぇ〜。」
その時、龍也の病室のある階についた。
桜「じゃ、私は行くね。」
和人「あぁ。」
桜がエレベーターから出て、ドアが閉まる。
〜side out〜
〜桜 side〜
私はエレベーターから出ると急いで目的の場所に向かう。
本来は走ることは厳禁である病院の廊下。
だけど、今は、今だけはそれを忘れてしまうほどに気持ちが先走っていた。
そして、目的の病室の前につく。
そこに書いてあるのは《朝霧 龍也》。
それは私の一番
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