第五十一話 帰還
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歪めた。
オベイロン「茅場、ヒースクリフ、アンタか! またアンタが邪魔をするのか!! なんでいつも僕の邪魔をするんだよ!! アンタはいつもそうだよ、いつもいつも!! いつだって何もかも悟ったような顔しやがって、僕の欲しい物を端から攫って!!」
須郷は更に叫んだ。
オベイロン「お前みたいなガキに、何が、何が解る!! アイツの下に居るってことが、アイツと競わされるのがどういうことか、お前に解るのかよ!?」
キリト「ああ、解るさ。
俺もあの男に負けて家来になったことがあるからな。 でも、俺はあいつになりたいと思ったことはないぜ。 お前と違ってな。」
オベイロン「ガキが、このガキが、ガキがぁぁああ!!」
須郷は悲鳴と共に地を蹴り、剣を振り下ろしてきた。
俺は一歩踏み込み、その間合いに入り、軽く剣を一薙ぎした。
須郷の頬に剣が掠めた。
オベイロン「いたッ」
須郷は頬を抑え、飛び退った。
オベイロン「痛い、痛いだと!!??」
この男は二ヵ月に渡り、アスナとアヤノを鳥籠の中に閉じ込めていた。
それだけでは飽き足らず、アーサーまでにも手を出した。
俺はこの男を許さない!!
怒りの炎は更に燃え上がった。
大きく踏み込み、須郷の両の手を斬り飛ばした。
次いで、肩から斜めに切り裂く。
両の手首は高く飛んで、暗闇の中に溶けていった。
澄んだ落下音が響いた。
だが、足りない、足りるはずがない!!
オベイロン「アアアァァァアアアッッッ!! 手が、僕の手があああぁぁぁあああ、体があああぁぁぁあああッッッ!!」
須郷は、床にごろごろと転がっている。
オベイロン「ヒギィィィイイイッッッ!!」
俺は須郷の髪を掴み、持ち上げてから、剣を力任せに薙ぎ払った。
須郷の胴は、振られた剣により真っ二つになった。
下半身は、白い炎に包まれ消滅した。
オベイロン「グボアアァァアアッッ!!」
上半身だけになった須郷を、左手で持ち上げた。
見開かれた両目からは、涙を流し、口をぱくぱくと開閉させていた。
左手を大きく振って、須郷の上半身を垂直に投げる。
耳障りな絶叫を撒き散らしながら、落ちてくるモノに向かって、剣を真上に突き立てた。
キリト「うおおぉぉおお!!」
俺は全力で剣を撃ち込んだ。
刀身が須郷の右眼から後頭部へ抜け、深々と貫いた。
ペインアブゾーバーをゼロに設定してあるので、凄まじい痛みが襲っているはずだ。
オベイロン「ギャアアァァァアア!!」
数千の錆び付いたような歯車を回すような、不快なエフェクトの掛かった悲鳴が暗闇に響き渡った。
剣を挟んで左右に分断された右眼から、粘りある白
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