第五十一話 帰還
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ロン「なに、!? 何だそのIDは!!??」
須郷は驚愕の声を上げるとアーサーへの攻撃を止め、後ろに飛び退き、システムウインドウを出現させる。
俺は奴より速くコマンドを唱えた。
キリト「システムコマンド、スーパーバイザー権限変更。 ID《オベイロン》をレベル1に。 さらに現在使われている魔法を無効化。」
須郷の手からウインドウが消滅した。
そして、俺の後ろで俺の仲間達が立ち上がる。
須郷は苛立ったように左手を振った。
しかし、何も起こらない。
妖精王の力が消滅した。
オベイロン「ぼ、僕より高位のIDだと!? 有り得ない、有り得ない、僕は支配者、創造者だぞ、この世界の帝王、神。」
甲高い声で須郷は捲し立てた。
俺は醜い顔に視線を向け、言った。
キリト「そうじゃないだろ? お前は盗んだんだ。 世界を。 そこの住人を。 盗み出した玉座の上で、一人踊っていた泥棒の王だ。」
オベイロン「こ、このガキ、僕に、この僕に向かってそんな口を、後悔させてやるぞ、その首すっ飛ばして飾ってやるからな。」
須郷は俺に人差し指を突き付け、金切り声を上げた。
オベイロン「システムコマンド!! オブジェクトID《エクスキャリバー》をジェネレート!!」
だがシステムは須郷の声には応えなかった。
オベイロン「システムコマンド!! 言うこと聞けこのポンコツがッ!! 神の、神の命令だぞ!!」
俺が後ろに目を向けるとアーサーとアーサーを支えてるサクラ以外は全員武器を手に持っている。
俺は目で全員に俺の意思を伝えると全員が頷いて武器をしまってくれた。
キリト「システムコマンド!! オブジェクトID《エクスキャリバー》をジェネレート!!」
俺の手の中に一本の剣が形を作った。
美麗な装飾を施されたロングロード。
間違いなく、ヨツンヘイムの中心部の尖端に封じられていた、最強の剣だ。
たった一言のコマンドで、最強の武器を召喚出来るとはな。
ロングソードを須郷の足許投げた。
床に転がったままの剣の柄頭を強く踏むと、剣は音を立てて、回転しながら垂直に飛び上がった。
落ちてくる剣の柄に向け、右手を横薙ぎに振る。
重い響きと共に、剣が手の中に収まる。
純白の片手剣の刀身を須郷に向け、言った。
キリト「決着を付ける時だ。 泥棒の王と鍍金の勇者の。 システムコマンド、ペインアブゾーバーをレベルゼロに。」
オベイロン「な、なに?」
俺の言葉を聞き、須郷は二、三歩、後退く。
キリト「逃げるなよ。 あの男は、どんな場面でも臆したことはなかったぞ。 茅場晶彦は、」
オベイロン「か、かや、」
須郷はその名を聞いた途端、顔を大きく
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