第五十話 世界樹の上へ
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ない!?」
サクラ「えッ!!??」
俺の言葉に、サクラが眼を丸くした。
閉ざされた十字の溝は、重く閉ざされている。
俺が剣を抜こうとした直前、ユイが俺の胸ポケットから姿を現し、小さな手でゲートの塞ぐ石盤を軽く撫でた。
ユイ「パパ。」
ユイは振り向き、早口で言った。
ユイ「この扉は、クエストフラグによってロックされているのではありません! 単なる、システム管理者権限によるものです!」
シンタロー「って言うことは、」
ユイ「はい! この扉は、プレイヤーには絶対開けられないということです!」
キリト「な、」
このグランドクエスト――世界樹の上の空中都市に達した者は、真の妖精《アルフ》に生まれ変われるというそれは、永遠に手の届かないニンジンだったということか?
俺はポケットから銀色のカードを取り出した。
このカードは《システムアクセスコード》だ。
キリト「ユイ、これを使え!!」
俺は銀色のカードを、ユイの眼前に差し伸べた。
ユイは大きく頷き、小さな手でカードの表面を撫でる。
光の筋が幾つか、カードからユイへと流れ込む。
ユイ「コードを転写します! 皆さん集まってください!」
一声叫ぶと、ガーディアンを牽制していたサクマ達が集まる。
それを確認するとユイは両の掌でゲートの表面を叩いた。
ユイの手の触れた個所から、放射状に青い閃光が走り、直後、ゲートそのものが発光を始めた。
ユイ「転送されます!! 皆さん。 掴まって!!」
ユイが伸ばした小さな右手を、俺の指先がしっかりと掴み、俺のもう片方の手をサクラが掴み、その反対の手をシンタローが掴む。
そのようにして、次々と皆が繋がっていく。
光のラインは、ユイの体を伝わり、俺達の中に流れ込んできた。
騎士たちが大剣を振り下ろす直前、俺たちの体が薄れ、白く輝くゲートに中へ突入した。
転送された先は、何も無い、真っ白い空間であった。
ユイはピクシー姿ではなく、白いワンピースを着た少女の姿だ。
サクラは、ユイに訊ねた。
サクラ「ユイちゃん、此処どこなの?」
ユイも困惑した顔で言った。
ユイ「判りません。 マップ情報が、この場所には無いようです。」
キリト「ユイ。 アスナとアヤノの場所、分かるか?」
ユイ「はい、パパ。 少し待ってくださいね。」
ユイは一瞬目を閉じ、すぐに大きく頷いた。
ユイ「はい、かなり――かなり近いです。 上のほう、こっちです。」
俺達は頷き、ユイを追って数分走ると、扉が見えてきた。
ユイ「ここの扉を出ると、頂上に到着します。」
俺達は、勢いよく扉を開け放った。
そこは、世界樹
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