第四十九話 グランドクエスト
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カードを凝視した。
それから、俺が口を開いた。
キリト「じゃあ、これがあればGM権限が行使できるのか?」
ユイ「いえ、これを使ってゲーム内からシステムにアクセスするには、対応するコンソールが必要です。」
キリト「そうか。 でも、そんな物が理由もなく落ちてくるわけがないよな。 これは、多分、」
ユイ「はい。 ママとアヤノさんが、私達に気付いて落としたんだと思います。」
シンタロー「キリト、」
キリト「ああ、」
このカードはきっと、アスナとアヤノが俺達に託した物だ。
二人は囚われの身になっても戦っている、この世界で。
このカードからは、彼女達の意思がおぼろげに感じ取れるような気がした。
俺はリーファに聞いた。
キリト「リーファ、教えてくれ。 世界樹の中に通じているっていうゲートはどこにあるんだ?」
リーファ「え、あれは、樹の根元にあるドームの中だけど、」
キリト「そうか、根元か。」
シンタロー「じゃあ、ここから先は俺達だけで行く。」
そう言ってから、俺はカードをポケットに収めると、翅を鳴らして急降下に入った。
後ろにシンタローが続く。
リーファ「ちょ、ちょっと待ってよ!!」
サクマ「あんの馬鹿共、頭に血が上ってやがる。」
俺とシンタローはリーファの叫び声には振り返らず、降下スピードを上げた。
急降下を数十秒続けると、やがて世界樹の根元が姿を現した。
大きく広げた翅でブレーキをかけながら、両足を突き出し、大きな衝撃音と共に着陸した。
俺は肩に乗っているユイに話し掛けた。
キリト「ユイ。 ドームの入口の道、わかるか?」
ユイ「はい、ママ。 前方の階段を登ればすぐです。 でも、今までの情報からすると、パパ達でもゲートを突破するのは、かなり難しいと思われます。」
キリト「何とかなる、いや、何とかする。」
俺は、ユイの頭を撫でた。
ユイ「はい。」
目の前の大きな階段を、俺とシンタローは歩き出した。
そこはもう、アルン市街区の最上部らしかった。
その壁の一部に、プレイヤーの十倍あろうかという身の丈の、妖精の騎士を象った彫像が二体並んでいる場所があった。
像の間には、華麗な装飾を施した石造りの扉が聳そびえている。
更に数歩歩き、大扉に前に立った途端、右の石像が低音を轟かせながら動き始めた。
石像は兜の奥の両目に青白い光を灯しながら、こちらを見下ろし、口を開いた。
『未だ天の高みを知らぬ者よ、王の城へ致らんと欲するか』
同時にウインドウが開き、最終クエストの挑戦意志を質す為のイエス、ノーボタンが表示された。
俺は迷うこと無く、イエスボタンに手を触れる。
『さればそなたが
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