願いはいつか.... 【ありのままのぎーの】
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で10分×4本の試合を行い、その中で目立っていた選手15人を選考するといった、もっともオーソドックスでわかりやすい方法だった。
「わぁぁ!もう始まったよかよちん!!」
「り、凛ちゃんが速すぎるんだよぉ〜」
もちろんその選考会は一般の視聴が許されている。だから、私と凛ちゃんは彼を応援するべく、ここへと駆けつけたのだ。
「ち、ちょっと凛!なんで私までこないといけないのよ!」
…凛ちゃんが勝手に真姫ちゃんまで連れてきちゃったせいで遅れたんだけどね。
「まぁまぁ!真姫ちゃんも面識あるんだし、別にいいでしょ?」
「まぁ…べ、別に応援してあげてもいいけど…それに、花陽の彼氏なんでしょ?なら、応援しないとね」
「真姫ちゃん…!」
「なんかツンデレじゃないのが残念だにゃ〜」
「う、うるさいわね!ほら、早く座るわよっ!」
真姫ちゃんの誘導によって、私たちは最前列の席に座った後、彼の姿を探す。
「あ、いた!」
Bコートのビブスを着ているチームに、彼はいた。
彼はボールを貰うとマークであろう人と対峙。そしてお互い睨み合ってそのまま動かなくなった。
ーーー先に動いたのは、彼だった。
ボールを華麗なハンドリングで捌いた後、急にスピードを上げて敵を抜いた。彼の得意な『チェンジオブペース』。それは高校の頃見た時よりも格段にキレが増していた。
「凄いにゃ!前見た時よりも格段にスピードが上がってる!」
「そうだね!凛ちゃん!」
「あら、なかなかやるじゃない」
そのまま中へペネトレイトに成功する。彼はそのままシュートの体勢をとり、後ろへとジャンプする。が、
「行かせねぇよ!」
センターのポジションにいた人が早めのヘルプに入る。身長がでかいのもあってか、あとから飛んだのにも関わらず、完全に彼のシュートを止めれるほどの高さまで飛んでいた。
けど、私にはわかる。彼がだいたいこのシチュエーションになるとやること。それはただひとつだけだった。
(絶対に、彼なら『ダブルクラッチ』をするはず…!)
ダブルクラッチ。それは、1度シュートを中断して、別の角度から着地する前にシュートを放つという技。高校時代からの彼の武器だった。
だが、彼はダブルクラッチをせず、他の選手にパスを放つ。
(…?!)
パスを受けた選手はそのままシュートを打つ。綺麗な弧を描いたそのシュートは綺麗にリングを通り抜けていった。
「おお〜!ナイスパスだにゃ!」
「まったくね。ほんと、上手よね彼」
凛ちゃんと真姫ちゃんが横で彼を賞賛している中、私は違和感に襲われていた。
(…どうして、シュートを打たないの…?)
高校時代なら確実に打っていたそのシュート。
けれど、彼は打たずに
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