願いはいつか.... 【ありのままのぎーの】
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あったものだ。
そして月日が流れ、俺達が高校3年生となった音ノ木坂学院卒業式の日、俺は花陽に告白された。
ただの幼なじみと思っていた少女からの告白。俺ははじめかなりテンパった。だが、凛の説明によると、ずっと昔から俺のことを好きでいてくれていたみたいだったが、恥ずかしさのあまりなかなか自分からその話題を出すことが出来なかったということらしかった。
そこら辺は花陽らしいといえば花陽らしかった。
返事はもちろんOK。と、言いたかったのだけれども、俺にはとある事情を抱えていた。
知ってのとおり、その当時アメリカのとある大学にバスケのスポーツ推薦で入るということが決まっていた。だから花陽と付き合っても、日本から離れてしまうから、花陽に失礼だと思い、断ろうとした。
けれど花陽は、
『ううん。大丈夫。花陽は、君の事ずっと待ってる。必ず帰ってきてくれるって、信じてるからーーー』
と言ってくれたのだ。どこまで優しいんだと思い、その時は自然と花陽を抱きしめてしまったほどだ。
そして、日本を立つ前に凛に俺と花陽のツーショットを撮ってもらい、俺はアメリカに旅立ったーーー
そして、現在に至るというわけである。
今年で花陽と付き合い始めて4年。けれど1度も日本に帰ることが出来ず、挙句の果てにはプロ入りしてしまった。今までずっとメールや電話でしかやり取りができず、本当に申し訳なくなってきていたぐらいである。
そんな時、俺には思いがけない朗報がやってきた。
『ヘイヘイ!またガールフレンドのツーショット写真みてるじゃねぇか!』
と、そんな思考に耽っていると、後ろからチームメイトでいつも仲良くしている男が俺に話しかけに、いや、俺を茶化しにやってきた。
『んだよ、いいじゃねぇか。まずそれを言いたいならお前も彼女作れバーカ』
『グッ…!!』
『ハハハ!返り討ちにあってるじゃねぇかお前!』
俺とその男のやり取りで、周りの男達がゲラゲラと笑い出す。男は顔を真っ赤にして恥をかいていた。俺はそれを見て苦笑する。
(…花陽と会えるのはいいけど、こいつらとはしばらくお別れか…)
そう思うと、少し切なく感じてしまう。
けれど、呼ばれた以上、仕方がない。
俺はケータイに来ていたメールを見つめながらそう思っていた。
ーーー差出人は、『日本バスケットボール協会』。
日本代表選考会に選ばれたのだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
長時間ものフライトは、俺の体を疲れさせるには充分だった。だけど、飛行機から降り立った瞬間、その疲れは吹っ飛ぶこととなる。
「っしゃあ〜!帰ってきたぜ!日本ッ!!」
なぜなら、俺の母国、日本へと帰ってきたからだ。
あいつ
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