第四十三話 世界樹目指して
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ら出発するのよ。 高度が稼げるから。」
リーファは俺とサクマの背を押しながら、歩きだした。
リーファ「さ、行こ! 夜までに森を抜けておきたいね。」
キリト「俺はまったく地理がわからないからなぁ。 案内よろしく。」
リーファ「任せなさい!」
リーファはトンと胸を一回叩いてから、ふと思いついて視線を塔の奥へと移した。
そこには、シルフ領主館の壮麗なシルエットが朝焼けに浮かんでいた。
だが、建物の中心に屹立する細いポールにはシルフの紋章旗が揚がっていない。
今日一日領主が不在だという印だ。
サクマ「どうかしたのか?」
リーファ「うん。 知り合いに挨拶をしていこうと思ったんだけど、今は不在らしいから後でメールをしておこうかなって。」
キリト「なんか悪いな。」
リーファ「大丈夫だよ。 謝らないでよ。」
リーファは慌て、両手を左右に振って言ってくれた。
リーファ「さ、行こっか。」
俺たちは、風の塔の正面扉を潜って内部へと進む。
一階は円形の広大なロビーになっており、周囲を色々なショップの類が取り囲んでいる。
ロビーの中央にはエレベータが二基設置させている。
リーファ「このエレベータに乗って頂上に行くよ。」
キリト「おう。」
エレベータに乗り込もうとした時、不意に傍らから数人のプレイヤーが現れ、俺達の行く手を塞いだ。
激突する寸前で、先頭に居たリーファは如何にか翅を広げて踏み止まる。
リーファ「ちょっと危ないじゃない!」
リーファが反射的に文句を言いながら、眼の前に立ち塞がる長身の男を見上げると、それはどうやらリーファの知り合いみたいだ。
兄としてはこんな柄の悪そうな奴と付き合いを持って欲しくない。
シルフにしては図抜けた背丈に、荒削りだが男っぽく整った顔。
やや厚めの銀のアーマーに身を包み、腰には大ぶりのロングソード。
額に幅広の銀のバンド巻き、波打つ濃緑の髪を肩の下まで垂らしている。
リーファ「こんにちは、シグルド。」
リーファは挨拶したが、シグルドと呼ばれた男はそれに応える心境ではないらしく、唸り声を交えながら行き成り切り出した。
シグルド「パーティーから抜ける気なのか、リーファ。」
リーファはこくりと頷いた。
リーファ「うん、まぁね。 貯金もだいぶできたし、しばらくのんびりしようと思って。」
シグルド「勝手だな。 残りのメンバーが迷惑するとは思わないのか。」
リーファ「ちょっ、勝手!?」
シグルド「お前はオレのパーティーの一員として既に名が通っている。 そのお前が理由もなく抜けて他のパーティーに入ったりすれば、こちらの顔に泥を塗られることになる。」
何だコ
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