第四十二話 囚われた者達
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かったね! 全員とはいかなかったが、結果三百人もの被験者を僕は手に入れた。 現実ならどんな施設でも収容できないほどの数さ、まったく仮想世界さまさまじゃないかい!」
須郷は饒舌に言葉を捲し立て、続ける。
私は昔から須郷のこういう性癖が大嫌いだった。
オベイロン「三百人の旧SAOプレイヤー諸君のお陰で、たった二ヶ月で研究は大いに進展したよ! 人間の記憶に新規オブジェクトを埋め込み、それに対する情動を誘導する技術は大体形ができた。 魂の操作、実に素晴らしい!!」
アスナ「そんな、そんな研究、お父さんが許すはずがないわ。」
オベイロン「無論あのオジサンは何も知らないさ。 研究は私と極少数のチームで秘密裏に進められている。 そうでなければ商品にできない。」
アヤノ「商品……!?」
オベイロン「アメリカの某企業が涎を垂らして研究終了を待っている。 せいぜい高値で売りつけるさ。 いずれはレクトごとね。 僕はもうすぐ結城家の人間になる。 まずは養子からだが、やがては名実ともレクトの後継者となる。 君の配偶者としてね。 その日のためにもこの世界で予行演習しておくのは悪くない考えだと思うけどねぇ。」
私とアヤノさんは首を振った。
アヤノ「そんなこと、絶対にさせない。 いつか現実世界に戻ったら、真っ先にあなたの悪行を暴いてあげる。」
オベイロン「やれやれ、君達はまだ理解していないのかい。 実験のことをぺらぺら喋ってあげたのはね、君がすぐに何もかも忘れてしまうからさ! 君も僕が貰ってやろう、その後に残るのは僕への、」
不意に須郷は言葉を切ると、僅かに首を傾け沈黙した。
すぐに左手を振ってウインドウを出し、それに向かって言う。
オベイロン「今行く。 指示を待て。」
ウインドウを消し、再びにやにや笑いを浮かべながら、
オベイロン「という訳で、君が僕を盲目的に愛し、服従する日も近いということが解ってもらえたかな。 しかし勿論、君の脳を早期の実験に供するのは望まない。 次に会うときはもう少し従順であることを願うよ、ティターニア。」
囁くと、須郷は身を翻し、ドアに向かって行った。
ドアの開閉音が響き、次いで静寂が訪れた。
アヤノ「アスナ、もう少しの辛抱だよ。 きっと皆が助けに来てくれるよ。 それまで頑張ろう。」
アヤノさんは、私が安心できるように微笑みかけてくれた。
〜side out〜
〜アーサー side〜
俺が相変わらず鎖に縛られて半分寝てた時。
オベイロンがやって来た。
アーサー「・・・来るなって言ったよな。」
オベイロン「そんな事に僕が従うと思うのかね?」
アーサー「それもそうだ。」
オベイロン「・・・さて、君には今
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