第四十一話 妖精の世界
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真下の塔の根元に着陸するわよ! って、」
不意にリーファがあることに気付いて、笑顔を固まらせた。
リーファ「キリト君達、ランディングのやりかた解る?」
俺は顔を強張らせた。
キリト「えっと、解りません。」
サクマ「走り方を知ってて止まり方を知らないとか愚の骨頂。」
すでに、視界の半分以上が巨大な塔に占められている。
リーファ「えっと、頑張れ!」
俺以外は急減速に入った。
翅をいっぱいに広げて制動をかけ、広場めがけて降下を開始する。
キリト「そ、そんなバカなああぁぁぁ―!!」
俺は、絶叫と共に塔に突っ込んでいった。
数秒後、凄まじい大音響がシルフ領首都、スイルベーンに響いた。
キリト「うっうっ、ひどいよリーファ。 飛行恐怖症になるよ。」
塔の根元、色とりどりの花が咲き乱れる花壇に座り込んだ俺は、リーファを恨みがましい顔で言った。
リーファ「ヒールしてあげるから許して、って、何で私だけ!?」
ユイ「眼がまわりました〜。」
俺の肩に乗っているユイも頭をふらふらさせている。
リーファは俺に右手をかざすと回復スペルを唱えた。
俺に青く光る雫が放たれ、放たれた雫によってHPが回復していく。
キリト「お、すごい。 これが魔法か。」
リーファ「高位の治癒魔法はウンディーネじゃないとなかなか使えないんだけどね。 必須スペルだから君達も覚えたほうがいいよ。」
キリト「種族によって魔法の得手不得手があるのか。 スプリガンてのは何が得意なんだ?」
リーファ「トレジャーハント関連と幻惑魔法かな。 どっちも戦闘には不向きなんで不人気種族ナンバーワンなんだよね。 って言ったねこれ。」
キリト「あー、言ってたな。 さて、シンタロー達を待つか。」
そして十数分後、シンタロー達が来た。
サクマ「遅くないか?」
シンタロー「悪い。 モンスターに出会ってな。 俺とストレアだけだったんなら振り切って来たんだけど、何せ庇んなきゃいけないからな。」
セト「申し訳ないッス。 俺等のせいで。 しかし、綺麗な街ッスね。 ねぇ、マリー。」
マリー「うん、本当に綺麗。」
スイルベーンは、別名《翡翠の都》と呼ばれている。
華奢な尖塔群が空中回廊で複雑に繋がりあって構成される街並みは、皆艶やかなグリーンに輝き、それらが夜闇の中に浮かび上がる有様は幻想的の一言だ。
街に見入っていたら、リーファに声を掛ける者が居た。
???「リーファちゃん! 無事だったの!」
顔を向けると、手を左右に振りながら近寄ってくる黄緑色の少年シルフが見えた。
リーファ「あ、レコン。 うん、どうにかね!」
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