第四十一話 妖精の世界
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少年の前方を陣取ったサラマンダーが、音高くバイザーを降ろした。
直後、大きく翅を広げて突撃を開始する。
前方のサラマンダーのランスが当たる、その寸前。
信じられないことが起こった。
スプリガンの仲間のサラマンダーの姿が消えたと思った瞬間、敵のサラマンダーの後方に現れた。
ガードエフェクトの光と音が空気を震わせ、そして、ランスが砕け散った。
良く見ると刀を抜刀している。
敵は呆然と自分の壊れたランスを見ている。
キリト「ええと、あの人たち、斬ってもいいのかな?」
とスプリガンが私に聞いてきた。
リーファ「そりゃいいんじゃないかしら。 少なくても先方はそのつもりだと思うけど。」
と私は呆然と答える。
サクマ「俺がコイツやるから後ろの奴頼んだ。」
キリト「OK。」
その言葉で我に返ったのか攻撃してきたサラマンダーは羽を震わせる、が、動けない。
「な、何だよこれ! 何で動けないんだよ!」
シンタロー「わざわざ逃がす訳無いだろ。」
良く目を凝らすとそのサラマンダーに糸が絡み付いている。
信じられない。
このインプは現在ALOに実装されている武器の中で最も扱いが難しいと言われている糸をここまで完璧に使えている。
「ひ、ひい! た、助けてくれ! お前サラマンダーなんだろ! だったら仲間を切ること無いだろ!」
サクマ「悪いけど、お前らみたいなゲスは仲間とは思わない。」
「くそっ!」
後ろにいたサラマンダーが攻撃しようとするが、スプリガンがそいつを切り、もう一人の捕まってた方も切られた。
キリト「どうする? あんたも戦う?」
その言葉に呆然となっていたサラマンダーのリーダー格の男は苦笑して、
「いや、勝てないな、やめておくよ。 アイテムを置いていけというなら従う。 もうちょっとで魔法スキルが九〇〇なんだ、デスペナが惜しい。」
キリト「正直な人だな。 そっちのお嬢さんは?」
リーファ「あたしもいいわ。 今度はきっちり勝つわよ、サラマンダーさん。」
「正直君ともタイマンで勝てる気はしないけどな。」
言うと、翅を広げ、燐光を残して飛び立った。
あとには私とスプリガンとその仲間達、二つの赤いリメインライトだけが残された。
それらも一分が経過すると共にふっと消えた。
リーファ「で、あたしはどうすればいいのかしら。 お礼を言えばいいの? 逃げればいいの? それとも戦う?」
スプリガンは右手に握っている剣を左右に切り払うと、背中の鞘に音を立てて収めた。
キリト「うーん、俺的には正義の騎士が悪漢からお姫様を助けた、っていう場面なんだけどな。」
片頬でニヤリと笑う。
キ
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