第四十一話 妖精の世界
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せてくれるじゃねーの。」
一人のサラマンダーが興奮を隠しくれない様子で言った。
中央に立つリーダー格が言葉を続ける。
「悪いがこっちも任務だからな。 金とアイテムを置いていけば見逃す」
「なんだよ、殺そうぜ!! オンナ相手超久々じゃん!」
《女性プレイヤー狩り》
VRMMOで、女性プレイヤーを殺すのはネットゲームにおける最高の快楽とうそぶく連中。
正常に運営されているALOですらこうである。
いまや伝説となった《あのゲーム》の内部はさぞ、と思うと背筋が寒くなる。
私はおとなしく殺される気はない。
私は、愛剣のツーハンドブレードを大上段に構え、サラマンダーを睨んだ。
リーファ「あと一人は絶対に道連れにするわ。 デスペナの惜しくない人からかかってきなさい。」
「諦めろ、もう翅が限界だろう。 こっちはまだ飛べるぞ」
確かに、飛行する敵に地上で襲われるのは絶対的に不利なポジションだ。
それに三対一なら尚更だ。
だけど、お金を渡して命乞いなんてもってのほかだ。
「気の強い子だな。 仕方がない」
リーダー格が肩を竦め、ランスを構え、翅を鳴らして浮き上がった。
それに倣って、二人のサラマンダーも続く。
敵が三方から私を取り囲み――今まさに突撃しようという、その時だった。
キリト「のわあぁぁぁぁ!?」
一人のスプリガンが着地、否、墜落してきた。
キリト「うう、いてて、着地がミソだなこれは。」
サクマ「何見つかってんだよ。 見に来ただけなんだからな。」
その隣にサラマンダーが着地する。
どうやらスプリガンのプレイヤーとは仲が良いみたいだ。
よく見ると上には多種族混合パーティーがいる。
その内の数人は初期装備だ。
サクマ「で、どうすんだ?」
キリト「襲われてるのが女の子なら見殺しにするのもアレだろ。」
サクマ「言うと思った。 シンタロー。」
シンタローと呼ばれたプレイヤーが降りてくる。
種族はインプ。
ん? シンタロー?
まさかとは思うけど。
私が考えているとスプリガンのプレイヤーは私を囲んでるサラマンダーに向かって、
キリト「重戦士三人で女の子一人を襲うのはちょっとカッコよくないなぁ」
「なんだとテメェ!!」
三人のサラマンダーの内一人が声を上げ、二人のサラマンダーが空中を移動して少年の前後で止まり、ランスを構え、突進の姿勢を取る。
リーファ「くっ、」
助けに入ろうにも、リーダー格の男がこちらを牽制しているため、うかつに動けない。
「そんな弱そうな武器と防具でノコノコ出てきやがって馬鹿じゃねぇのか。 お望み通り狩ってやるよ!」
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