第四十一話 妖精の世界
[11/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
サクマ「で、肝心のそのクエスト内容は?」
リーファ「世界樹の内側、根元のところは大きなドームになっているの。 その頂上に入り口があって、そこから内部を登るんだけど、そのドームを守っているNPCのガーディアン軍団が凄い強さなのよ。 今まで色んな種族が何度も挑んでいるんだけどみんなあっけなく全滅。 サラマンダーは今最大勢力だからね。 なりふり構わずお金を貯めて、装備とアイテムを整えて、次こそはって思っているんじゃないかな。」
シンタロー「ガーディアン軍団ってことは数押しか。 一体一体の強さは?」
リーファ「一体はそこまで強くないって聞いてるわ。 でも今シンタローさんが言ったみたいに数が多くてどうにもならないの。」
シンタロー「だとしたら瞬間火力に頼るか、もしくはポップ位置で出来るだけ抑えるか。」
リーファ「何にせよ、もう無茶苦茶よ。 だって考えてみてよ、ALOってオープンしてから一年経つのよ。 一年かけてクリアできないクエストなんてありだと思う?」
キリト「確かにな。 う〜ん、何かキークエストを見落としている。 もしくは、単一の種族だけじゃ絶対に攻略できない?」
俺は頭を悩ませながら言った。
リーファはババロアを口許に運ぼうとしていた手を止め、俺を見た。
リーファ「良いとこに気が付いたね。 クエスト見落としの方は、今躍起になって検証しているわ。 後の方だとすると、絶対に無理ね。 『最初に到達した種族しかクリアできない』クエストを、他の種族と協力して攻略しようなんて。 だから、世界樹攻略は現状不可能ね。」
サクマ「不可能だとしてもやるしかない。」
キリト「あぁ。 その通りだ。 さて、今日はログアウトして明日出るか。」
シンタロー「だな。 明日、皆の装備も整えよう。」
リーファ「ちょ、ちょっと待ってよ、お兄ちゃん達、世界樹に、行く気なの?」
キリト「ああ。」
リーファ「無茶だよ、そんな。 ものすごく遠いし、途中で強いモンスターもいっぱい出るし、お兄ちゃん達も強いけど、じゃあ、わたしが連れて行ってあげる。」
キリト「え、」
俺は眼を丸くする。
世界樹が存在するアルヴヘイムの央都《アルン》まで行くのは、現実世界での小旅行に匹敵するほどの旅になる。
ということは、リーファが領地から出ることにもなってしまう。
キリト「良いのか?」
リーファ「うん。 いいの。 私が連れて行ってあげるよ。 それにお兄ちゃんの大事な人を助けるのに、妹がそれを助けない訳にはいかないでしょ。 じゃあ、明日は午後三時に此処に集合ね。 あと、ログアウトには上の宿を使ってね。 お兄ちゃんはまたリアルでね。」
と言い、ログアウトボタンを押し、リーファは虹色の光に包まれ現実世界に戻った。
後
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ