第三十八話 世界の終焉
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光り出す。
アーサー「どうやらこの中では俺達が最初らしいな。」
シンタロー「あぁ。 少しの間、お別れだな。 名残惜しいが。」
キリト「似合わねー。」
シンタロー「うるせー!」
アーサー「じゃ。」
キリト「またな。」
俺達はお互いに拳を合わせた。
そして、光に包まれて目を開けると、
アーサー「・・・ログアウトするんじゃないのかよ。」
キリト「ここは、アインクラッドの上空?」
茅場「中々に絶景だな。」
後ろからヒースクリフの声がして振り替えると、そこにいたのはヒースクリフではなく白衣を着た茅場だった。
アーサー「よぉ、ナイスファイト。」
キリト「これはエンディングって事で良いのか?」
茅場「そうだな。 そう考えてもらって構わない。 それと、クリアおめでとう、キリト君、アーサー君。」
ふとアインクラッドを見ると第一層から崩れ落ちていく。
アーサー「おい、平気なのか?」
茅場「心配には及ばない、先程生き残った全プレイヤー、6238人のログアウトが完了した。」
キリト「そうか。 で、あれはどういうことなんだ?」
茅場「現在、アーガス本社地下五階に設置されたSAOメインフレームの全記憶装置データの完全消去作業を行っている。 後10分ほどでこの世界の何もかもが消滅するだろう。 あれはそれを具現化してるにすぎない。」
キリト「何で、こんなことをしたんだ?」
茅場「何故、か。 私も長い間忘れていたよ。 何故だろうな。 フルダイブ環境システムの開発を知った時、いや、その遥か以前から、私はあの城を、現実世界のあらゆる枠や法則を超越した世界を創り出すことだけ欲して生きてきた。 そして、私の世界の法則を超えるものを見ることが出来た。」
茅場は静謐な光を湛えた瞳を俺達に向け、すぐに顔を戻した。
茅場「子供は次から次へと色々な夢想をするだろう。 空に浮かぶ鉄の城の空想に私が取りつかれたのは何歳の頃だったかな。 その情景だけは、何時まで経っても私の中から去ろうとしなかった。 年を経るごとにどんどんリアルに、大きく広がっていった。 この地上を飛び立って、あの城に行きたい。 長い、長い間、それが私の唯一の欲求だった。 私はね、キリト君。 まだ信じているのだよ、何処か別の世界には、本当にあの城が存在するのだと。」
キリト「ああ。 そうだといいな」
俺はそう呟いていた。
茅場「だが、その夢もここまでだ。 私のしたことは犯罪。 アーサー君との約束を破ることは無いが、警察に捕まれば拘束されるだろう。 もっとも、その前に日本政府に捕まり、ある研究に強制参加させられる代わりに死んだことにされるだろうがな。」
最後に茅場は自虐的に笑った。
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