第三十八話 世界の終焉
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を掛けた。
キリト「どうするつもりだ。 この場で全員殺して隠蔽する気か?」
ヒースクリフ「まさか。 そんな理不尽な真似はしないさ。」
ヒースクリフは微笑を浮かべたまま左右に首を振った。
ヒースクリフ「こうなってしまっては致し方ない。 予定を早めて、私は最上階の《紅玉宮》にて君たちの訪れを待つことにするよ。 90層以上の強力なモンスター群に対抗し得る力として育ててきた血盟騎士団。 そして攻略組プレイヤーの諸君を途中で放り出すのは不本意だが、何、君たちの力ならきっと辿り着けるさ。 だが、その前に、」
ヒースクリフは言葉を切ると、俺を見据えてきた。
右手の剣を軽く床に突き立て、高く澄んだ金属音がドーム内に響く。
ヒースクリフ「キリト君、アーサー君、君達には私の正体を看破した報奨を与えなくてはな。 チャンスをあげよう。 今この場で私と二対一で戦うチャンスを。 無論不死属性は解除する。 私に勝てばゲームはクリアされ、全プレイヤーがこの世界からログアウト出来る。 どうかな?」
俺はサクラに視線を向ける。
サクラ「受けるんでしょう?」
アーサー「ああ。」
サクラ「無事に帰ってきてね。」
アーサー「分かってる。」
俺はヒースクリフに視線を向けてから、ゆっくり頷いた。
横のキリトを見るとアスナに止められているが本人はやる気みたいだ。
キリト「受けてやるよ。 此処で全て終わらせてやる!」
奴は、己の創造した世界に一万人の精神を閉じ込め、その内の四千人の意識を電磁波によって殺した。
それに奴は、プレイヤーたちが絶望や恐怖にもがく様をすぐ傍で眺めていたという訳だ。
俺は、そんな奴を許すわけにはいかない。
此処で決着をつける!
俺はサクラに優しく声を掛けた。
アーサー「じゃあ、待っていてくれ。」
サクラ「うん。 約束を忘れないでね。」
俺は、サクラの体を床に横たえて立ち上がる。
無言でこちらを見ている茅場に俺とキリトはゆっくりと歩みよりながら、剣を構える。
エギル「アーサー! やめろっ!」
クライン「キリト――ッ!」
声の方向を見ると、エギルとクラインが必死に体を起こそうとしながら叫んでいた。
俺達はエギルとクラインが居る方向に向き直ると、まずエギルと視線を合わせ、小さく頭を下げた。
アーサー「エギル。 今まで、剣士クラスのサポート、サンキューな。 知ってたぜ、お前の儲けの殆んど全部、中層ゾーンのプレイヤー育成に注ぎ込んでいたこと。」
目を見開くエギルに微笑み掛けてから、顔を動かしクラインに視線を向ける。
キリト「クライン。 お前には本当に感謝してる。 裏で色々と動いててくれたんだろ?」
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