第三十七話 七十五層ボス
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引いていく。
ふとヒースクリフの反対側を見るとアーサーも立ち上がって剣を構えている。
恐らく俺と同じ考えなのだろう。
俺はアーサーに目配せし、アーサーも頷いてそれに答えた。
腰を僅かに下げ、ヒースクリフに突進する準備姿勢を取る。
ヒースクリフは俺とアーサーの動きに気付いていない。
仮に俺達の予想がまったくの的外れなら、俺達は犯罪者プレイヤーになってしまうだろう。
そして容赦ない制裁を受ける事になる。
その時は、御免な。
俺は隣で床に座っているアスナを見やった、アスナの視線が交錯した。
アスナ「どうしたの?」
キリト「(ゴメンな)」
俺は声を出さず口だけ動かした。
地面を蹴った。
ヒースクリフはアーサーの方に気が付いたみたいで、アーサーの攻撃を盾で防ぐ。
ヒースクリフ「どういうつもりかね。」
アーサー「お前の正体を見破ってやろうと思っただけだ。」
後ろから俺の剣がぶつかる寸前で、目に見えぬ障壁に激突し、同時に俺の腕に激しい衝撃が伝わった。
同時にヒースクリフからシステムカラーのメッセージが表示された。
【Immortal Object】。
不死存在。
俺たちプレイヤーにはありえない属性だ。
静寂の中、ゆっくりとシステムメッセージが消滅した。
俺は剣を引き、後ろに跳んでアスナの隣に着地した。
俺の隣にアーサーが着地する。
俺は周囲を見回し言った。
キリト「これが伝説の正体だ。 この男のHPバーは、どうあろうとイエローまで落ちないようにシステムに保護されているのさ。 不死属性を持つ可能性があるのは、システム管理者以外有り得ない。 だが、このゲームには管理者は居ないはずだ。 ただ一人を除いて。 この世界に来てからずっと疑問に思っていたことがあった。 あいつは今、何処から俺たちを観察し、世界を調整しているんだろう、ってな。 でも俺は単純な真理を忘れていたよ。 どんな子供でも知っていることさ。」
アーサー「《他人のやっているRPGを傍から眺めるほど詰まらないことはない》。 そうだろう、ヒースクリフ、いや茅場明彦。」
〜side out〜
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