第三十七話 七十五層ボス
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、ボスのHPの三本目を削りきり、四本目を削っていく。
その中、アーサーやコジロウを含む残りの四割が《溜め技》のモーションを取っている。
《溜め技》はソードスキルの中で発動まで時間が掛かり、その溜めた時間によって攻撃力が上がる。
いわば諸刃の剣だ。
と、《溜め技》を溜めきる前にボスが体制を立て直した。
「お、おい、不味いんじゃ無いか!?」
アーサー「シンタロー!」
シンタロー「分かってるっての!」
ボスの動きが止まる。
シンタローの《マリオネットロック》だ。
それで稼いだ数秒で《溜め技》の準備が出来る。
ソードスキルより数倍上の威力を持つ《溜め技》が決まっていく。
そして四本目を削りきって最後の一本に入った。
そして十数分後、ボス攻略開始から約一時間半、ボスのHPを削りきり、七十五層を攻略した。
だが、一人も歓声を上げる余裕のある者はいなかった。
クライン「何人、死んだ?」
キリト「十人だ。」
エギル「嘘だろ。」
今までのボス戦、被害は多くても二桁に行ったのは二十五層で軍が壊滅的なダメージを受けたときだけだ。
それが七十五層で再び二桁。
この上にはまだ二十五層もある。
一層ごとにこれだけの犠牲者を出してしまえば、最後のラスボスに対面出来るのはたった一人になってしまう可能性がある。
おそらくその場合は、間違いなくあの男だ。
俺は視線を部屋の奥に向けた。
そこには、他の者が全員床に座り込んでいる中、背筋を伸ばして立っている人物。
ヒースクリフだ。
彼も無傷では無かった。
HPバーがかなり減少している、がイエローゾーンまでは行ってない。
同じ攻撃を受けていたアーサーでさえイエローに入っているのにだ。
ヒースクリフのあの視線、あの穏やかさ。
あれは傷ついた仲間を労わる表情では無い。
あれは、神の表情だ。
俺はアーサーとヒースクリフとのデュエルを思い出していた。
あれは、SAOシステムに許されたプレイヤーの限界速度を超えていた。
プレイヤーでは、出来ない事を可能にする存在。
デスゲームのルールに縛られない存在。
NPCでも無く、一般プレイヤーでも無い。
となれば、残された可能性はただ一つ、この世界の創造者だけだ。
だが、確認する方法が無い。
いや、ある。
今この瞬間一つだけある。
ヒースクリフのHPバーは、ギリギリの所でグリーン表示に留まっている。
未だかつて、ただ一度もHPバーをイエローゾーンに落としたことが無い男。
圧倒的な防御力。
この世界を創り上げた人間ならそういう設定にすることが可能だろう。
ゆっくりと剣を構え握り直した。
徐々に右足を
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