暁 〜小説投稿サイト〜
SAO〜円卓の騎士達〜
第三十七話 七十五層ボス
[5/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
シンタローは糸を出す準備をしている。
十字盾の裏側から長剣を音高く引き抜いたヒースクリフが、右手を高く掲げ叫んだ。

ヒースクリフ「戦闘、開始!」

完全に開ききった扉の中へ走り出す。
全員が続く。
内部は、かなり広いドーム状の部屋だった。
全員が部屋に走り込み、自然な陣形を作って立ち止まった直後、背後で轟音を立てて大扉が閉まった。
最早開けることは不可能だ。
ボスが死ぬか、俺たちが全滅するまで。
広い周囲に注意を払うが、ボスは出現しない。

「おい、」

誰かが、長い沈黙に耐え切れず声を上げた、その時。

キリト「上だ!!」

索敵でボスを見つけた俺が叫んだ。
全員頭上を見上げる。
ドームの天頂部に、それは貼りついていた。
灰白色の円筒形をした体節一つ一つからは、骨?き出しの鋭い脚が伸びている。
その体を追って視線を動かしていくと、徐々に太くなる先端に、凶悪な形をした頭蓋骨があった。
流線型に歪んだその骨には二対四つの鋭く吊りあがった眼窩がんかがある。
大きく前方に突き出した顎の骨には鋭い牙が並び、頭骨の両脇からは鎌状に尖った巨大な骨の腕が突き出している。
《The Skullreaper》、骸骨の狩り手。
こいつは、不意に全ての足を大きく広げ――俺たちの真上に落下してきた。

ヒースクリフ「固まるな! 距離を取れ!」

ヒースクリフが鋭い叫び声を上げた。
全員が動き出す。
俺達も落下予測地点から慌てて跳び退く。

だが、落ちてくるスカルリーパーのちょうど真下にいた三人の動きが、僅かに遅れた。

キリト「こっちだ!!」

俺は慌てて叫んだ。
呪縛の解けた三人が走り出す。
だが、その背後に、スカルリーパーが地響きを立てて落下してきた、床全体が大きく震えた。
足を取られた三人がたたらを踏む。
三人に向かって巨大な大鎌が横薙ぎに振り下ろされた。
三人が背後から同時に切り飛ばされた。
宙を吹き飛ぶ間にも、HPバーが猛烈な勢いで減少していく――黄色の注意域から、赤の危険域と、そして、あっけなくゼロになった。
まだ空中にあった三人の体が、立て続けに無数の結晶を撒き散らしながら破砕はさいした。
消滅音が重なって響く。

キリト「一撃で、全損、だと」

俺は絞り出すように呟いた。
SAOでは数値的なレベルさえ高ければそれだけで死ににくくなる。
特に今日のパーティーは高レベルプレイヤーだけが集まっている。
攻撃は数発の連撃技なら持ちこたえられる、はずだったのだ。
それが、たった一撃で。

アスナ「こんなの無茶苦茶だわ。」

俺の隣にいるアスナが掠れた声で呟く。
一瞬に
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ