第三十七話 七十五層ボス
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「あー、分かってると思うが今回のボス戦は逃げられない。 だったらボスをぶっ倒して前に進むしか生きる道は無い。 何があろうと怯むな! 最後まで戦い抜け! それが俺達の責任で義務で意思だ! 絶対勝つぞ!」
ウオォォォォーー!!!
ヒースクリフの時よりも大きい雄叫びが上がる。
それが止むと、
ヒースクリフ「では、出発しよう。 目標のボスモンスタールーム直前の場所までコリドーを開く。」
ヒースクリフの回廊結晶を迷わず使う姿にわずかにざわめきが起こる。
ヒースクリフ「コリドー、オープン。」
クリスタルは砕け散り、ヒースクリフの前に青く揺らめく光の渦が出現した。
七十五層迷宮区は、僅かに透明感のある黒曜石のような素材で組み上げられていた。
鏡のように磨き上げられた黒い石が直線的に敷き詰められている。
空気は冷たく湿り、薄い靄もやがゆっくりと床の上を棚引いている。
俺の隣に立ったアスナが、寒気を感じたように両腕を体に回し、言った。
アスナ「なんか、嫌な感じだね。」
キリト「ああ。」
俺も肯定する。
周囲では、四十人のプレイヤー達が固まってメニューウインドウを開き、装備やアイテムを確認している。
俺はアスナを伴って一本の柱の陰に寄ると、アスナの手を握る。
戦闘を前に、押さえつけていた不安が噴き出してくる。
体が震える。
アスナ「大丈夫だよ」
アスナが耳元で囁いた。
キリト「ああ」
アスナ「約束しよう。 絶対生き残るって。」
キリト「ああ、約束だ。」
俺は握っている手に少し力を込め、握っている手を離した。
ヒースクリフが鎧を鳴らし、言った。
ヒースクリフ「皆、準備はいいかな。 今回、ボスの攻撃パターンに関しては情報が無い。 基本的にはKoBが前衛で攻撃を食い止めるので、その間に可能な限りパターンを見切り、柔軟に反撃をして欲しい。」
攻略組の全員は無言で頷く。
ヒースクリフ「では、行こうか。」
ヒースクリフは黒曜石の大扉に歩み寄り、中央に手を掛けた。
全員に緊張が走る。
俺とアスナは、並んで立っているエギルとクラインに声を掛けた。
キリト「死ぬなよ。」
クライン「へっ、お前らこそ。」
エギル「今日の戦利品で一儲けするまではくたばる気はないぜ。」
エギルとクラインが言い返した直後、大扉がゆっくり動き出した。
プレイヤーたちは一斉に抜剣する。
俺も背から《エリュシデータ》と《ダークリパルサー》を引き抜いた。
隣に立っているアスナも腰に装備している鞘から放剣した。
俺の前ではアーサーが《龍爪剣》を、サクマが二つの刀を、コジロウが《物干竿》を引き抜く。
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