第三十七話 七十五層ボス
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ヒースクリフ「結晶による脱出が不可能な上に、今回はボス出現と同時に背後の退路も断たれてしまう構造らしい。 ならば統制の取れる範囲で可能な限り大部隊をもって当たるしかない。 休暇中の君たちを召喚するのは本意ではなかったが、了解してくれたまえ。」
俺は肩をすくめて答えた。
キリト「協力はさせて貰いますよ。 だが、俺にとってはアスナの安全が最優先です。 もし危険な状況になったら、パーティー全体よりも彼女を守ります。」
ヒースクリフは微かな笑み浮かべた。
ヒースクリフ「何かを守ろうとする人間は強いものだ。 君の勇戦を期待するよ。 攻略開始は三時間後。 予定人数は君達を入れて四十五人。 七十五層コリニア転移門前に午後一時集合だ。 では解散。」
それだけ言うと、ヒースクリフとその配下の男たちは一斉に立ち上がり、部屋を出て行った。
アスナ「三時間ね。 何しよっか?」
鋼鉄の長机に腰掛けて、アスナが聞いてきた。
俺は無言でその姿をじっと見つめていた。
キリト「なぁ、アスナ。」
アスナ「どうしたの?」
キリト「怒らないで聞いてくれ。 今日の「待って」」
アスナは、俺の言葉を遮ってきた。
アスナは立ち上がると、ゆっくりと俺の前まで歩み寄って来た。
アスナ「キリト君は私に今日のボス戦に参加するなって、そう言いたいんでしょう?」
キリト「ああ、そうだ。 クリスタルが使えない場所では何が起こるか判らない。 だから、」
アスナ「ねぇ、キリト君。 私達は死なない。 たとえ死んだとしても、」
キリト「死ぬ時は一緒、か。」
アスナは、俺に向かって微笑みかける。
アスナ「そうだよ。 この戦いキリト君は死なない、だから私も絶対に死なない。」
アスナは、言葉を続ける。
アスナ「それに、約束したでしょ。 現実世界で結婚をするって約束を。」
キリト「そうだな。」
アスナは、俺の体を優しく抱きしめてくれた。
アスナの温かさが俺を包む。
アスナ「それに、私達には時間が残されていないのかもしれないし。」
キリト「俺たちの体の衰弱、か。」
アスナ「うん」
現実世界での俺たちの体は、病院のベットの上で色々なコードに繋がれて、どうにか生かされている状況なのかもしれない。
そんなのは、何年も無事に続くとは思えない。
キリト「つまり、ゲームをクリア出来るにせよ出来ないにせよ、それとは関係なくタイムリミットは存在する、ってことだよな。」
アスナ「うん、そうだと思う。 それに私は《向こうで》キリト君に会いたいよ。」
キリト「ああ、俺もアスナに会いたいよ。 だから、今は戦わないといけないんだな。」
アスナ「きっと私達なら
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