第三十六話 湖の主
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トを決行します!!」
長大な竿を片手に進み出たニシダが大声で宣言すると、ギャラリーが大いに沸いた。
俺は何気なくニシダが持つ竿と、その先の太い糸を視線で追い、先端にぶら下がっている物に気付いてぎょっとした。
トカゲだ。
だが大きさが尋常ではない。
大人の二の腕位のサイズがある。
赤と黒の毒々しい模様が浮き出た表面は、新鮮さを物語る様にぬめぬめと光っている。
アスナ「お、大きいね。」
サクラ「うん。」
アスナとサクラは、顔を引き攣らせて言った。
ニシダは湖に向き直ると、大上段に竿を構えた。
その隣にはアーサーが控えている。
見事なフォームで竿を振ると、巨大なトカゲが宙に弧を描いていき、やや離れた水面に盛大な水飛沫を上げて着水した。
俺たち四人は固唾を呑んで水中に没した糸に注目した。
やがて釣り竿の先が二、三度ぴくぴくと震えた。
だが竿を持つニシダは微動だにしない。
キリト「き、来ましたよニシダさん!!」
ニシダ「なんの、まだまだ!!」
ニシダは、細かく振動する竿の先端をじっと見据えている。
と、一際大きく竿の穂先が引き込まれた。
ニシダ「いまだッ!!」
傍目にも判るほど糸が張りつめた。
ニシダ「掛りました!! 後はお任せしますよ!!」
アーサーはニシダから竿を手渡さると、
アーサー「へぇ、結構力強いな。」
それを片手で持ち余裕の表情だ。
アーサー「これ、力一杯引いても大丈夫ですか?」
アーサーはニシダに声を掛けた。
ニシダ「最高級品です!! 思いっきりやって下さい!!」
アーサー「んじゃ、遠慮無く。 そりゃあぁぁぁ!」
アーサーが気合いの掛け声を上げると共に竿を思いっきり引く。
すると糸の先に影が見えてくる。
ザバアァァーン!!
大きな音と共に主が釣り上げられた。
そのままアーサーと俺達のちょうど真ん中ぐらいに落ちた。
その時、俺達はその主の姿を見たのだが、、何で魚に足があるんだ。
そしてその主は釣り上げたアーサーの方を向き、突進していった。
キリト「おお、歩いてる。 肺魚なのかな。」
ニシダ「そ、そんなこと言ってないで、ご友人が危ないですよ!?」
サクラ「いえ、大丈夫ですよ。」
アーサーは慌てることなく空手の型のような構えをする。
後ろに引いた右手が光る。
アーサー「すぅー、っらぁ!」
体術スキルの〈正拳〉だ。
これはもっとも簡単な体術スキルの一つでプレイヤーの筋力値によって威力が変わる。
つまり、筋力値を最大近くまで上げてるアーサーにとってはとても扱いやすいスキルだ。
モンス
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