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SAO〜円卓の騎士達〜
第三十六話 湖の主
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ごと取られてしまいましたわ。  最後にちらりと影だけ見たんですが、大きいなんてもんじゃありませんでしたよ。  ありゃ怪物、そこらにいるのとは違う意味でモンスターですな。」

両腕いっぱいに広げてみせる。 あの湖で、俺が此処にはモンスターは居ないと言った時にニシダが見せた意味深な笑顔はこういうことだったのか。

ニシダ「そこで物は相談なんですが、キリトさん筋力パラメーターの方に自信は?」
キリト「そこそこ有りますが・・・知り合いにかなりの筋力値を持つのが居ます。」

もちろんアーサーの事だ。

ニシダ「でしたらそのご友人を誘って貰えませんか!? 合わせる所までは私がやりますので釣りスキルが無くても結構です。 そこから先をお願いしたい。 日程もそちらの都合で構いません。」
キリト「ははぁ、釣り竿のスイッチですか。 分かりました。 知り合いに聞いてみます。」

俺が言うと、ニシダは満面に笑みを浮べて、

ニシダ「よろしくお願いします。」

その後、アーサーにメールを送ると、メールの送れる文字の限界近くまで説教を書いてきて、最後の方に、三週間後なら空いてる、と返してきた。

そして、主釣り当日。
ニシダから送られてきたメールによるとギャラリーが三十人くらいいるらしい。

キリト「参ったなぁ。」

此処で暮らしているのがばれたら、情報屋や剣士が押し掛けて来るのは確実だ。

アスナ「これでどうかなー?」

アスナは、長い髪をアップに纏めると、大きなスカーフを眼深に巻いて顔を隠した。
さらにウインドウを操作して、だぶだぶした地味なオーバーコートを着込む。

キリト「お、おお。  いいぞ、生活に疲れた農家の主婦っぽい。」
アスナ「・・・それ褒めてるの?」
キリト「もちろん。 アスナは何着ても似合うなーって事だよ。」

アーサー、サクラと合流し、湖に向かう。
湖畔にはすでに多くの人影が見える。
やや緊張しながら近づいて行くと、見覚えのある男が、聞き覚えのある笑い声と共に手を上げた。

ニシダ「わ、は、は、晴れてよかったですなぁ!!」
キリト、アスナ「「こんにちはニシダさん。」」
アーサー、サクラ「「初めまして。」」

俺たち四人は、頭をぺこりと下げる。

アーサー「ところで釣りは曇りか小雨くらいが釣れると聞いた事があるんですが?」
ニシダ「わ、は、は、これは一本取られましたな。 確かにリアルでは曇りか小雨が良いと言われてます。 ですがゲーム内では天候は関係ないんです。 まったく、そこらへんは凝って欲しいというのが本音ですな。」

そう言うとニシダはギャラリーの方を向き、

ニシダ「え〜、それではいよいよ本日のメインイベン
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