第12話:王と最強のボルシャックvs野生と巨人の猛攻
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突然、勝の耳に謎の声が響き、それと同時に目の前の景色が一瞬で変貌した。
「ここは…?」
景色が変貌したと思ったら、今度は何もない真っ白な空間だった。
だが、1つだけ、この景色には似合わないものが1つ―――デュエマのカードが勝の目の前にあった。
そのカードは以前、モルトが勝とデュエマした時に使っていたボルシャックの中で守りに特化した最強のボルシャック―――《ボルシャック・ドギラゴン》だった。
『守りたいか?あの少女を?』
「………」
彼、《ボルシャック・ドギラゴン》の問い掛けに勝は首を振った。
『なら、自分の居場所を守りたいのか?』
「……両方です」
『!?』
勝の意外な言葉にカードの中で《ボルシャック・ドギラゴン》は驚いてしまった。
『……世の中には守れるのは1つ。その両方を守ることは不可能なのは、お前が一番わかっているはずだ』
確かに。目の前で愛する人と大勢の人達が助けを求めていたら、どちらかしか守れない。
それでも……。
「それでも、守りたいんだ!自分の手が届く範囲…否、例え届かなくたって、力≠ェあるのに、助けない選択は選びたくない!それに……」
それに、もう僕は負けたくない!
そう口にしようとするが、《ボルシャック・ドギラゴン》は『わかった』と勝の言葉を遮り、そう答えた。
まるで全部わかっているのかのように。
『それなら俺も―――否、“俺達”も力を貸そう!』
そう言って、カードの姿で《ボルシャック・ドギラゴン》は輝き出した。
「ッ!?」
次に勝が意識を取り戻したのは目の前にいる男とデュエマしていた。
少し驚きながら、勝は自分の手札とバトルゾーンを重視した。
バトルゾーンには勝の《トップギア》と《コッコ・ルピア》の2体、マナは3枚、シールドは0枚、手札は5枚(その内、1枚は《ボルシャック・ドギラゴン》)。
対する男のバトルゾーンは何もなし、マナは7枚、シールドは無傷の5枚、手札は3枚。
状況から見て不利なのは勝である。何故なら男のデッキは恐らく、進化クリーチャーが多めに入っている自然文明単色の速攻デッキ。
本来なら前のターンで3ターンキルを狙うデッキだが、勝のシールドに2枚のトリガー呪文があった為、3ターンキルは不可能になった。
だが、状況は依然と変わらず、どのみち不利なのは、勝である。何故なら、このターンで一気にシールドをすべてブレイクし、ダイレクトアタックまで決めないと次のターン、勝の敗北はほぼ確定である。
「無理だな」
それを見知ってか、男はフッと、そんなことを口にした
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