機動戦艦ナデシコ
1459話
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携帯に着信があって音が出て見つかるとか。
……何なんだろうな、あれ。携帯の電源を切っておくくらいの事はやってもいいと思うんだが。
『どうしたの?』
黙っている俺に疑問を抱いたのか尋ねてくるレモンに、首を横に振る。
「いや、何でもない。それよりこれ……どう思う?」
映像スクリーンに、俺の後ろにある巨大な立方体の物体を映し出す。
『大きいわね。……けど、あるのはこれだけ?』
「ああ。この遺跡がどんな場所かは分からない。けど、量産型Wから連絡はいってると思うが、ディストーションフィールドが何重にも展開されていた。そんな場所なんだから、この物体は何か大事な物なのは間違いないと思うんだが……何だと思う?」
『そう言われてもね。直接触れて調べる事が出来るのであればまだしも、こうして見ているだけで調べろと言われても……それに、少し暗くて見えにくいし』
「まぁ、遺跡だしな」
火星古代文明を作ったのが誰なのかは分からないが、それでもディストーションフィールドを何重にも展開することは出来ても、明かりを十分に用意する事は出来なかったらしい。
「となると、やっぱりこれは持って帰った方がいいと思うか?」
『うーん……どうかしらね』
へぇ。レモンの事だから、てっきりすぐに持ってきなさいとでも言うのかと思ったら、予想外に気が進まない様子。
「どうしたんだ?」
『いえ、そうね。出来ればそれはそのままにしておいた方がいいと思うわ』
「本気か?」
『ええ。大体そこに行くには何重にも存在するディストーションフィールドをどうにかしないといけないんでしょ? で、火星で私達以外の者がそんな真似をしようとすれば、当然すぐにこっちの基地で判明する。だとすれば、迂闊に持ち帰るよりもそこに置いておいた方がいいと思うわ。それに、遺跡というのは必ず何か理由があって存在しているものよ。もしその物体を持ち帰ったりしたら、何か悪い事が起きる可能性は決して否定出来ないわ』
「……何か悪い事、か」
そう言われてまず真っ先に思いつく事は、チューリップの生産プラントがホワイトスターで使用不可能だった事だ。
チューリップは火星古代文明の遺産だ。
そして、俺の前にあるこの立方体の物質もまた同様に。
つまり、この物質をこの世界から持ち出すという事は明らかに何らかの悪影響を与えかねない。
「けど、見つけてしまった以上、これをここに置いておくだけって真似は出来ないだろ?」
賊軍の奴等は火星に到着する前に撃破した。
それに何重にも展開されているディストーションフィールドを考えれば、この物体がそう易々と誰かに奪われるとは考えにくい。
だが、考えにくいという事は不可能とイコールという訳でもない。
それにこの極冠遺跡が
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