第一部
出会い。
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少し考えた後に快く了承してくれた。僕は軽い足取りで学校へと急いだ。
*****ラミア視点*****
私は彼が協会を出た後に一人考えていた。今までしたことがない程頭をフル回転してさっき話したことの情報を纏めていた。彼は私が魔族と知っても顔色一つ変えず受け入れてくれた。前例が無かった訳じゃない。神父だって私を受け入れてくれた。だけど、皆が私を忌み嫌っているのは重々承知の上だったのだ。なのに何故?でも、彼が歩んできた人生を聞くと、自分を受け入れるのもそこまで抵抗がないのかもしれない。だけどあんなに直ぐ友達になってくれるだなんて...彼の笑顔を思い出し、ラミアは思わず顔が熱くなった。だが、直ぐに元の平常心に戻り、彼の情報を纏める。彼の名前は
『新塚 隼人(しんづか はやと)』
私は彼の事を隼人と呼ぶことにした。一度名前を呼んだが、隼人はとても不思議な表情をしていた。自分と同じ高校三年生で、近くにある『林咲空覇高校』に通っているそうだ。家族構成は母親、父親、そして妹が一人居るだけとの事だ。正直に言って私は彼の事をあまり知らない。隼人は自分の事を詳しく話さなかったし、あまり話したくなさそうだったからだ。元々彼自身そんなに話すことが無かったのかもしれない。私は小さく溜息を漏らし、神父の所へと向かった。神父は穏やかに私の話を聴いていたが、珍しく神父から質問してきた。「先程話していた彼とはどんな関係ですか?」見ていた事に驚いたが落ち着いて話した。彼との経緯や、どういう関係かを短調に説明した後、いよいよ話の本題に迫った。「神父さん。私見つけました。彼こそが私の探し求めていた人なんです。彼は****の覚醒の力を持っています」神父はいつも通り微笑み、そうですか。と繰り返すだけだった。結局何も解決出来ぬまま、ラミアも学校へと向かった。
*****視点OFF*****
僕は学校に付き、昼休みの休憩で蓮を探した。蓮は自分が見つけるよりも先に僕を見つけ、走って近付いて来た。二人で人気のないベンチに腰掛け、昼食を食べることにした。席に付くと同時に蓮は僕に質問してきた。「おい。今日は協会の日だろ?彼女と会えたのかよ」僕は驚いた。蓮はいつも協会の話をすると嫌そうな顔をするのに今日は自分から話題に出すなんて信じられなかった。それほど蓮も彼女の事が気になっていたのだろうか?僕は少し黙った後に協会であったこと全てを話した。僕が喋っている間、蓮はずっと無言だった。それがなんだか気味が悪かったのだ。一通り話終えると、蓮はまだ一口も手をつけていない弁当を置き、僕と見つめあった。最初は戸惑ったが、蓮の顔は真剣そのものだったので僕は目を反らせなくなった。「お前、そのラミアって女どう思ってるんだよ?」質問の意味が分からず、黙っ
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