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僕と私と未来の覚醒。(更新停止中)
第一部
出会い。
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―今度はこっちが自己紹介する番だなと思ったのだが、ラミアはまだ言いたい事があるようで、僕の方をみて口を開くも何も出てこずまた口を閉ざすという動作ばかりしていた。彼女は要約決心したのか途切れとぎれに少し早口で喋った。「私ね、まだ貴方に隠している事があるの。あのね、私...貴方達の世界で言う――魔族――なの」彼女は僕の反応を伺っているようだが、僕は先程のラミアのように優しく微笑んで頷いた。ラミアはそんな反応をする僕に驚いたのか、次々と質問を投げ掛けられた。
「何故怖がらないのか?」―勿論怖がったりなんてしない。だって、君は魔族だろうが怪物だろうが、今こうやって僕と話してくれているから―

「私は貴方とは違うのよ?」―だから何?僕だって普通の人間じゃないよ―

「貴方を襲うかもしれないのに?」―良いよ別に。どうせこの世に未練なんてないし。それに、ラミアみたいな美人に殺されるなら本望だよ―

最後のはちょっとかっこつけたが、それを聞いたラミアは顔を真っ赤にして、でもでもとまだ納得していないようだったので、僕は思い切って彼女の手を掴んで目を合わせた。「大丈夫だよ。僕はラミアを変な目で見たりしないし、怖い事なんて何もしないよ。だから信じてよ」ここで少し僕は彼女に意地悪したくなった。「それとも、僕に嫌って欲しいの?ラミアは僕の事嫌いなの?」彼女は慌てて首をブンブンと横に振った。ラミアは要約僕を信じてくれたらしい。その後に僕は簡単に自分の自己紹介を済ました。彼女の事をもっと知りたいが、その前にラミアは僕に魔族であることを教えてくれたのだ。僕も本当のことを言う決心をした。「実はね...ラミアと最初に合った時、『僕の事が見えるの?』
って聴いたよね。あれは、今までの環境のせいなんだ」そう前置きして、僕は語った。彼女は最初は真剣に聴いていたが途中から怒った顔で聴いていた。全て話し終わったると、ラミアは言った。「そんなのおかしいわ!どうして皆貴方を無視するの?こんなの絶対間違ってる!!」彼女がかなり怒っているのを見て、僕は不謹慎だと分かっていながらも笑ってしまった。ラミアはそれに気付き、何故なのか聞いてきた。僕は恥ずかしかったが本音をいった。「実はこうやって誰かに怒って貰うのが初めてでさ。なんか嬉しいんだ。当たり前なのかも知れないけど僕にとっては特別なんだ」それを聞いたラミアは少し機嫌を治したようだ。それからは二人共他愛もない話をして楽しんだ。話の途中で分かったが、彼女は吸血鬼の魔族らしい。最初聞いた時はびっくりしたが、確かに注意深く観察するとそんなふうに見える。(僕の思い違いかも)そんなこんなんであっという間に時間が過ぎて、神父がやって来た。いつも通りの話をして、僕達はお祈りをした。協会も終わり、皆三々五々に散って行く中、僕は次の週に会おうと約束していた。ラミアは
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