第一部
出会い。
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した顔で言った。「ちょっと。どうして私を見ないのよ」本当の事を言えば怒られそうだが、答えなくても怒られそうだ。という事で嘘を言うことにしたが、あっさり見破られた。嘘をつかれたことで逆にもっと怒らせてしまった。そして、いつまでたっても頑として目を合わせない行動に痺れを切らしたのか彼女は無理矢理僕を引っ張り、かなり強引に目を合わせた。僕は予想外の出来事と、先程の異変を思い出しビクッと体を震わせ、本能的に目を瞑ったが、何も起きなかった。おかしいと想いつつ僕はそっと目を開けると彼女は僕を見て微笑んでいた。その笑顔はまるで天使のようで、僕は不覚にもドキっとしてしまった。彼女は明るい笑顔で話し続けていた。「貴方って不思議な人ね。私、貴方みたいな人と出会うのは始めて!ねえ、友達になりましょ?」友達になろうだなんて初めて言われたので僕は驚いて彼女を見た。当の本人は大真面目なようだが僕は何故友達になりたいのか理由を聞いてみた。「だって、貴方ってとっても面白いんですもの。貴方といれば楽しい冒険が出来そうな予感がするの。それに...」ここで彼女は少し目を伏せて言った。「貴方の周りにあるオーラって私が今まで見てきた中で一番輝いているの」あまりにも予想外な答えが返ってきたので僕は何も言えなかった。僕の周りのオーラが輝いている?そんな訳ないじゃないか。自分は今まで誰にも存在自体を忘れられていたのだから。チラリと彼女を見やると期待した顔で僕の返事を待っている。僕は断ろうとしたが、少し考えた。そもそも、僕だって彼女ともっと近づきたかったのだ。だったらこの申し出は願ってもない事なんじゃないのか?それに、断らなくても自分にはなんのデメリットもない、逆に断ればそれこそデメリットだらけだ。魔族の友達なんて、作ろうと想っても出来ない事だし...そう考えて僕は彼女と友達になることにした。彼女は大層嬉しそうで、見ているこっちまで嬉しくなる。早速自己紹介から始める事にした。纏めると、彼女の名前は
『ラミア・フロディ・デス・アルミス』
名前を言うのに苦労していると、彼女はラミアか、アルと呼んでくれ。と言ってくれた。だから僕は彼女の事をラミアと呼ぶことにした。高校は、『聖薔薇女子学園』に通っているそうだ。あそこの学校はお嬢様や、エリートしか入れないと僕の高校でも有名だった。一度は聖薔薇の女子学生と恋人になりたい!というのが我が男子高校生の密かなる夢なのだ。ラミアは現在高校三年生で、もうすぐ卒業らしい。僕と同級生なのか...と心の中で驚いた。彼女はどちらかというと子供っぽい容姿だ。なので最初に見た時は僕より2、3歳年下だろうな。と思っていたのだ。ラミアは僕に子供っぽいなんて言ったら怒るわよ。という眼を向けていたので敢えて口には出さなかった。殆ど自己紹介も終わり、――どの教科が好きとか、家はどこら辺だとかだ―
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