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平成ライダーの世界
第二十七章
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漁人です。その種族バッシャー族でありますがこの一族もまた滅びようとしていています。しかし彼は自分の種族の運命については半ば諦めている感じです。その考えに基いて人間社会の中に生きています。
 彼は何処か醒めていて次狼とも距離を置いています。しかし冷たい性格かというとそうではありません。次狼や力、そして紅の危機には力を貸していますし何よりも最後には音也の頼みを聞いて紅を護る存在となっています。こうしたことを見ていると彼もまた人間の心を持っています。井上敏樹作品、ひいては平成ライダーによくある一歩距離を置いた位置にいるキャラクターですが決して非道でもなく人間の心がない存在でもありません。
 アームドモンスターの最後に来るのは力ですがフランケン族らしく非常に大柄で屈強な外見でした。演じておられた滝川英治さんの容姿が実に見事だったこともあり燕尾服も似合うとても格好いいキャラクターだったのを覚えています。
 その彼は言葉が片言で一見すると何を考えているのかわかりにくくしかも妙に狂暴ではないかと思われる描写もありました。他の二人とはまた違った意味で異質な存在でした。 
 三人の中では最も人間とはかけ離れてしまっている部分があるのではないのか、放送中にはそんなことも思いました。次狼は自分をファンガイアと認識していましたが実は人間でした。それは力もそうではないだろうかと思ったのですが実際にそうでした。
 音也との交流において次第にそうした人間的な部分が出て来てファンガイアの能力を自ら封じていってです。彼もまた人間であることがわかりました。結論としましてアームドモンスター達は姿形が違うだけの人間でした。しかも人間としての姿を取れるのです。それでは彼等は完全に人間です。スサノオの罠、姿形を見てそれで人間でないと判断できるのかどうか、彼等もそのことについて自分達で答えを出せました。
 アームドモンスターの話はこれで終わらせてもらいます。続いてはヒロイン達のお話に移らせて頂きたいと思います。
 キバはヒロインが非常に充実している作品だったと思います。ヒロインと呼べる人が五人もいてしかもそのどのキャラクターも非常に個性的で魅力的だったのです。ヒロインの面から見てもキバは見応えのある作品でした。
 その中で最初に書かせてもらいたいのは野村静香です。彼女は紅の保護者的ポジションにいました。ただ年齢的なことも考えますと妹的な存在でもあったでしょう。
 キバ、とりわけ前半の彼女の存在は非常に大きく紅は彼女がいるお陰で何とか人間世界とつながっていたとさえ言える程でした。極めて内向的で半ば世捨て人の如き有様だった彼の傍にいつもいて時には優しく時には厳しく接している彼女はまさに紅の妹であり保護者でした。思えば静香は難しい位置にいますし存在感を出さなければならない役でもあります。しか
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