206部分:第二十八話 船の上にてその一
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第二十八話 船の上にてその一
船の上にて
「そうか、インプ達はか」
「はい」
ミシェイルに対して周りにいる者達が告げていた。彼等は今川辺におりそこから長江の雄大な景色、水墨画の如き川と山の風景を眺めながら話をしていた。
「あえなく。ピスケスにより」
「そうか。だが」
「だが?」
「ピスケスの技はわかったな」
ミシェイルはこのことを周りにいる者達に対して問うのだった。
「そうだな。わかったな」
「まあそれは」
「あの紅薔薇の技のことは」
「ロイヤルデモンローズ」
彼は言った。
「あの技だな」
「その通りです。あらかじめ水面に紅薔薇を配しておき」
「その毒でインプ達をです」
「かつての聖戦と同じだな」
ミシェイルはここでまた言った。
「かつてのな」
「かつでのですか」
「そうだ。冥皇ハーデス様との戦いがかつてあった」
ミシェイルがここでハーデスを尊称で呼んだのは彼等の神であるアーレスとハーデスが友好関係にあるからだ。冥界を司るハーデスにとって死者を増やしてくれるアーレスは有り難い存在なのだ。その殺伐とした性格も気に入っていると共に死者の数はそのままハーデスの富になるからだ。
「その時にもピスケスの黄金聖闘士がいた」
「確かその名は」
「あれは」
「アルバフィカといった」
ミシェイルはその時のピスケスの黄金聖闘士の名も知っているのだった。
「その男もまたロイヤルデモンローズを使っていた」
「そうだったのですか」
「あの時から薔薇を使っていたのですか」
「それどころか今まで見たところだ」
ミシェイルはまた言ってきた。
「キャンサーにしろカプリコーンにしろだ」
「あの者達もですか」
「そうだ。使っている技は同じだ」
彼は言うのだった。
「技はな。同じだ」
「同じなのですか」
「この時代の者達もあの時代の者達も」
「そういうことだ。まだ見ていく必要はあるが」
ミシェイルはさらに言葉を続けていく。
「同じ技ならば。闘い方もおのずとわかってくる」
「そうですね。それは」
「使う技が同じならば」
「そしてもう一人いる」
ミシェイルはさらに言うのだった。
「ドイツでもアメリカでもあの者が来たな」
「ジェミニですね」
「そうだ。あの者も来る」
それも読んでいるのだった。
「間違いなくな」
「ジェミニがですか」
「そうでなくてはサジタリアスだろうな」
「サジタリアス?」
「確かアイオロスでしたな」
既に黄金聖闘士の星座と名は全て把握しているのだった。
「サジタリアスは」
「そうだ。ジェミニが来なければその者が来る」
シズカにこう言うミシェイルだった。
「どちらにしろ黄金聖闘士はもう一人来る
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